15・森
1ヶ月と3日目[33日目]朝
朝、拠点の平原に来ていた。
コウ「これから森に入り魔族を主に倒してく予定だけど、何か森の注意点はある?」
ガド「まず、見通しが悪いのと、サリの索敵に音や匂いの感知で見つけ難い待ち伏せする虫系の魔物と地中に潜む魔物がおる、こ奴らは、隠蔽して奇襲してくるそれさえ防げれば後は楽に倒せる相手なのじゃが」
コウ「俺の危険を感じる力危険感知でそいつらが判れば奇襲されないな、森で試そう、後なにかある?」
サリ「ウチが、厄介なのは犬タイプの魔物にゃ。
隠密使って近づいて、群れで襲って来るにゃ。
前に斥候中に周りを囲まれた時は、助けに来てくれなかったら死んでたにゃー。
他に10匹以上群れる奴は攻撃しなければ襲って来ないにゃー。
ただし、一匹でも攻撃すると全体が一斉に襲って来るにゃ、
そうなったら縄張り逃げきるしかないにゃけど、
まず無理にゃだから手を出しては駄目にゃー」
ソド「ただ群れる奴の肉は美味いでこざるから、
ハグレを見つけたら必ず狩るでござる。
必ずでござるよ」
(2度も念を押すほど美味いのか。
その肉が有ったら、有っただけ食べそうだ。
狩れたら特別な時に少量出す程度にして、
何かの、ご褒美に使おう)
コウ「固まって結界を出ましょう、サリは結界の外に出てすぐ周囲の索敵して、
その後に俺のギフトを上乗せして使った時の効果の確認してから移動します」
結界を出て森に入った。
サリの索敵は10秒程で終って俺がギフトを上乗せして使い確認して貰った所、
800メートルから先は距離が離れる程、曖昧になることはそのままだが、
かなりの距離がある隠蔽の魔物の位置がなんとなく解るとの事だった。
ソド「サリの索敵に死角が無くなってしまったでござる」
サリのドヤ顔にソドはグヌヌと悔しがっているが、
ソドのギフトも大概だぞ。
もしかして、気付いてない?。
コウ「ソド、ギフトの迅速をどう使ってる?」
ソド「一気に近付くのに使うでござる、そういうギフトでござるから」
コウ「ソド、おまえ馬鹿なの?何で避けるの時の一瞬と刀で切る時の一瞬の引く動作に使わないんだ、
ソドのギフトは3分の1もの時間を速く動けるんだぞ。
避けることで防御力が、刀の引く速さで攻撃力が上がる。
刀が通じる敵には、ほぼ無敵と言っていい力だぞ、
使い切ってお終い、なんて、欠点を全面に出す様な使い方、するなよー」
ソド「無敵でござるか、確かに避ける一瞬と切る一瞬だけなら、使えない時間を気にせず使えるで、ござる」
「御助言を感謝するでござる」と泣き出した。
嬉し泣きをしてるソドをサリがヨシヨシとしてる。
(この2人、本当に仲良いな、あら!羨ましい)と思っているとセリが俺にヨシヨシとしてくる。
(ヨシヨシが羨ましいわけでは無いのたが、まあいいか和むし)
コウ「サリ、周辺の様子は?」
サリ「近くには1集団でいる以外は居ないにゃ、西500メートル位に多分魔族の100匹位の大きな集団がいるだけにゃ」
ガド「魔物や動物は、こ奴らに恐れて逃げたんじゃろ、コウが見せた地図じゃと、こ奴らを倒さんと森から出られんが、ちと多いのぉ、
魔法で数を減らすにしてもこの数じゃとおそらく魔力感知のスキルを持った奴がいるから奇襲は通用せんし、
クルーのアバターが揃うまで待つしかないのぉ」
コウ「マリにサリが俺の念話を中継して隠蔽かけれない?、サリは持ってるでしょ隠蔽のスキル」
サリ「試してみるにゃ・・・、出来たにゃー、アッ、駄目にゃすぐ切れるにゃ」
セリ「ずっと掛けていれば効果がありますが、サリさんの今の魔力だと10秒が限度ですね、
マリさんその時間でこの場所から発動出来る有効な魔法有りませんか?」
マリ「消費魔力が多いけど有るわよ。
サイクロンの魔法の詠唱短縮でかなりの数、雑魚は倒せるはずよ。
ただし、撃った後は魔力切れで戦力外になるのと、
上位種には、あまりダメージに成らないかもしれないわ」
コウ「その魔法に、この下にある石を混ぜて撃てない、更に割って混ぜればかなり強力になると思うけど」
マリ「混ぜれるけど、投げ入れる量だと対した効果は無いわよ」
コウ「マリの横で空間収納の範囲ぎりぎり5メートルで割った石を大量にサイクロンの中で出したら〜」ニヤリ
サリ「ウワー、エゲツない事考えるにゃー」
ガド「確かに効果的だが、良いのか戦士がそんなことして、いやコウはテイマーだから戦士では無いが、良いのか?」
セリ「チョト狡いですが、効果的です」
ソド「上位種がそれで倒せれば、後は数が多いだけで何とかなるでござるよ、チョト汚いと思うでござるが」
マリ「そういう事どうして思い付けるのよ!。
効果的だけど、逆に、他に真似されたくないエゲツない攻撃よね、
コウ以外にはできない方法だから良いのだけど、エゲツないわよねー」
コウ「マリ、エゲツないを何故2度言う、何でみんなの評価が、凄く酷いのか判らんが、セリの予想ではどうなる?」
セリ「タイミングさえ合えば、殆ど全滅するエゲツない攻撃になります」
コウ「何、何なの、やったら駄目なの、何か悪い事なの?」セリはオロオロしながらもヨシヨシしてくる。
ガド「スマン、悪く無い、
ただ最近は人間同士の戦いが多かった為、
やり返されたら全滅する様な攻撃はやらんのが普通になったんじゃ、
魔物が相手じゃし良い案じゃ」
コウ「俺は、誰であろうと、例え人相手でも、外道は排除するのに手加減はしないぞ、
外道に地位、名誉、規模、力が有ってもその場で排除する。
その場に失敗しても必ず排除する。
これは邪神を倒す為に絶対だ。
後で其奴らは魔族と同様に必ず邪神の下部にされる。
しかも、魔族より後に成れば成る程、厄介になっていく」
セリ「根拠は魔族の残忍性格と集団になると上位種も襲う犠牲を無視した心理状態が邪神の下部の条件だからですか」
俺は頷く。
(本当に聡いな、この世界では魔族だからと考えるのが普通だと思うが)
コウ「この話は後で船で話す、で俺の案でOKか?」
マリ「その案攻撃するとして、石を出すタイミングはどうするの?。
ワタクシ魔法に集中してるから合図はできないわよ」
コウ「タイミングは、サリに念話で最高のタイミングを、カウントして教えて貰うから、大丈夫」
まだヨシヨシしてるセリが頷く、俺がセリの頭を撫でたらヨシヨシをやめた。
みんなで石を拾い、結界内に戻って石を割り収納。
サリの案内で集団が狙える位置に行き、攻撃。
結果、風魔法に物理をプラスした攻撃は上位種が辛うじて生きている以外は、消えて魔石がだけが落ちていた。
動けない上位種に止めを刺し全ての魔石を回収した。
何故か皆んな納得出来ない顔だが、無視して船に戻った。
(何で?楽に全滅させた方が良いと思うのは俺だけなのかな。
敵に対しての情けは、邪神を倒すまで、掛けられない事、分かってないな。
クルーも含めて今のヤバイ状況を説明する必要が有るな。
もし、全ての人が、今の状況を楽観視するなら、邪神を滅ぼす前に、人類が滅ぶかも知れないな)




