10・新たな眷族
1ヶ月と1日目[31日目]午後
平原まで来た、採掘スポットは帰りにした、砂まみれは帰りでいい。
平原には動物は見あたらず、背丈の低い草だけが生えていた。
丘の出口と反対側には綺麗な水が湧く水場と池、そして石造りの小さな建物あった。
建物の中には何も無かった。
サリ「薬草や魔力草がいっぱいにゃ」
セリ「神聖だけど、神殿じゃ無いです」
マリ「神像が無いから、神殿では無いわね」
ソド「デワなんでござるか?」
ガド「石造りの小屋かのぉ」
コウ「綺麗な水場と池、何かの生き物の為の小屋だ・・」
(何かこっちに来る)
結界を抜けて仔犬を咥え2匹と、それを追うように馬が4頭が、自分達の方に走って来たので、隠れ頭だけ出して、見る
(スゲー、あんなに遠くが見える、アッ、馬2頭は仔馬だ)
通り過ぎる時、こちらをチラ見、過ぎてから振り返り、ガン見して、コケた。
(二度見で、凄い勢いで転け、ズザーモクモクって)
(コレって、コント?)
セリが仔犬にむかい走って行く、慌てて追いかけると、子供を守る為、馬が1頭、セリを威嚇、龍角を生やし攻撃してきた、俺は全身に龍鱗を出し間に入り、角を掴み横に受け流す様に倒す。
(思ったより力が入って無い、コイツ息止めてる、アァ、魔力酔い対策か)
俺は「大丈夫か?害するつもりは無い」と首元を撫でる。
馬?「何故息をして平気なのだ」と言い、息してしまい、又止めた。
(本人達は、死活問題なのだが、今の状況を知っている俺達には、コントにしか見えない)
コウ「魔力は、俺達がなんとかしたから、息しても平気たぞ」と笑う
それを聞いた馬?が、呼吸して「平気だ」と、他につたえている。
サリは、仔犬の前に座り、となりで唸っている仔犬を無視して、必死に回復魔法をかけていた。
(かなりヤバイのか)
サリが診ている仔犬を見ると、内臓がでてる、サリが泣いてる、(助かるのか、舌を出し苦しそうだ、助けたい)
俺は正常な内臓のイメージで回復魔法をかける、内臓が元に戻り、傷口が治り苦しそうな呼吸が寝息になったのを見て、
俺は気を失った。
(助けれたかなぁ)
顔に何かが触っている、目を開けると犬の鼻があり、顔を仔犬に舐められていた。
(鼻の穴舐めるのやめて)
仔犬を抱き離してから、抱き直して撫でていると。
サリ「起きたー」と、眠っている仔犬を抱いて横に来た
周りでは、メンバーと犬と馬が会話していた。
(ファンタジーだ)
しばらく舐めていた仔犬を抱き、撫でて癒されている。
皆んながやって来た、馬は白い麒麟、犬は白狼フェンリルかな?、神獣は白いらしい。
仔馬は馬のままだが、気配が薄い、スキル、いや魔力を感じないからギフトか、仔犬は、垂れ耳で胴長短足で毛は黒のモフモフ、狼では無く犬、まあ可愛いからいいか。
白狼「我が子を助けて頂きありがとう」
麒麟「攻撃したにも関わらず、配慮ある対応、感謝する」
ガド「神獣様方は、ここに出産と子育てに訪れたが、魔力過多で使えず、止むを得ず外で出産、
魔族に子供を出産した事に気付かれ、隠した子供が見付けられ怪我を負った為に、
止むを得ずに此処を抜け魔族を振り切ろうとした所、私等が居たという事じゃ」
マリ「ここは神獣の出産し子育ての為の聖域らしいのよ」
コウ「なんで魔力過多だったんだ」
ソド「大型の神獣様が、ソレガシ達と共に殿で果てた所為だと思うでござる」
サリ「魔族は、先に逃げた者は、無視してウチ達を全軍で包囲して、逃げ場は無かったにゃ」
(闇堕ちした奴は、逃げたんだ)
セリ「最後まで大型の神獣様は私達を守って下さって」と泣くセリを撫でてあやす。
コウ「それで使われなくなった魔力が溜まり、魔力過多になったと、俺が来なかったらどうなってた?」
マリ「あの魔力水の魔力濃度だと、普通なら、魔力が結晶化してダンジョンコアに成り、洞窟がダンジョンに変化してる魔力過多だったはずなのよね、なんでダンジョンに変わらなかったのかしら?」
セリ「おそらく、成らない様にする、何かが有るんだと思います」
コウ「ここは安全になりましたので、神獣の皆さんは、安心して子育てしてください」
(いや、よかったよかった)
白狼「イヤ、我が子はコウ様の眷族に成ったので、コウ殿か育ててもらいたい」
(えっ眷族、成っていいの?)
麒麟「我が子はあと1ヶ月母乳が、必要あるので、1ヶ月後に眷族として連れていってもらいたい」
(マジでいいの?)
コウ「あっ4匹共、眷族に成ってますね」
(ヤッター、可愛い眷族だー、モフモフナデナデだー)
この時は、神獣が眷族に居るということが、どれほどの事なのか、知らなかった。




