表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

百鬼

百鬼 喜劇の演者

作者: PANCAKE:

ワイン色のベッド。石造りの暖炉。窓から見える白い景色。


私が覚えている限り、これが最初の記憶でした。


「おはよう、我が娘よ。」


そう言って白髪で貴族のような格好をした


背の小さい青年が歩いて来た。首には


包帯が巻かれていた。


「気分は良いよね。」


その人。父は淡々と話しかけてくる。


確かに気分は良かった。


(何を基準に言えば良いか分からないが。)


「君も目が覚めたことだし、


今年は楽しい年になるだろう。」


父は嬉しそうだった。


「今から夕飯なんだ。


着替えたら下に降りて来なさい。」


そう言って部屋を出て行った。


父に言われるがままにクローゼットを開け、


適当に服を取り出し服を着た。


この部屋には鏡がない。父は間抜けなのか。


女の子の部屋には鏡が必要なのに。


ちょっと可笑しな私の父と二人暮らしだった。


そんなことを思いながら着替えを済ませ、


下の階に降りて、食卓の席についた。


そしてだされた食事にかぶりつき血を吸った。


そこで一つ思い出した。私は一度死んでいた。




まぎれもない鬼劇の始まりの記憶である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ