8■アルバイト斡旋
大学時代の話し
大学の事務棟の前の壁に、アルバイト募集の張り紙がある。
個人の生徒さんがピアノの先生を探していたり、音楽教室の講師の募集だったり、ピアノの先生の募集が多い。
他には、ブライダルの聖歌隊のアルバイトが多い。
結婚式場の聖歌隊はわりと人気がある。
(応募してから、どのくらい弾けるか歌えるか、簡単なオーディションがある。結構厳しい)
しかし、その中に時々サギがあるのだ。
大学側も、サギの場合があるのでよく注意して応募するように、と注意喚起している。
って、サギのアルバイト募集の張り紙しないでよ・・・とはいえ、応募してみないとわからないらしい。
サギの内容はこうだ。
まず、ブライダルでも音楽教室講師でもなんでも良いので、募集がかかる。
それに応募すると、研修を受けさせられる。その研修にお金がかかるのだ。
講習を受けなければならなかったり、場合によっては楽器を購入しなければならなかったりする。
楽器の購入などお金のない学生にはかなりキツイ。
楽器ではなく、リトミックの研修ではフラフープやボールといったものを購入しなければならない。
それで研修を終えてみると、仕事は何もなかったりするらしい。
研修を受けたことによって、スキルは身に付くし、資格が手に入ったりするので、考え方によってはそれでも良いのかもしれないが、仕事をしようとしたのに、出費だけで終わってしまうこともあるので、気を付けなければならない。
本当にサギだと、お金だけ払ってドロンということもある。
まあ、そういう場合は学校から訴えたりするのだろうけれど。
そしてそれらは、アルバイトだけではなく、就職の時も気を付けなければならないのだ。
ここまで書いて思い出したが、テレビ関係のアルバイト募集もあった。
よくあるのがNHKの子ども番組向けの「歌のおねえさん」募集である。(これはアルバイトではなくて就職)
これはちょっとやりたかった。
あとは、テレビドラマのアルバイト募集で
『条件:男性。身長165センチから172センチ程度。細身で、できれば長髪。後ろ姿が木村拓也に似ていること』
というのがあった。
後ろ姿が木村拓也似の学生はおらん。(前から見た姿が似ているのは皆無)
その頃大学院生だったS先輩(男)が応募して、(ヅラをかぶって)木村拓也役をやったのだけれど、大学院のピアノ科の女子もこぞって一緒についていって、ピアノの吹き替え(?)や編曲などをやっていたらしい。私の伴奏者は手だけ映っていて
「あの手、私!」
と賑わっていた。
当時大人気だったドラマだったので、芸能界に疎い私でも知っていたが、最終回の前に
「次の話し教えてあげようか?最終回はねえ・・・」
と、ネタバレしようとするのを
「言うなあ!」
と、みんなで止めたのだった。