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黒い音楽教室  作者: marron
19/20

19■譜めくリスト

音楽界の一般論。個人的には大人になってバイトをして。



ピアニストがコンサートをするときは、楽譜を見ないで弾くけれど、歌の伴奏などでは楽譜を見ながら弾く。

歌の伴奏は難しいうえに、楽譜を見ておくとイザという時に役立つ。

あまりないけれど、歌い手が歌詞を忘れたときに、教えてくれたりすることもある(らしい)。


楽譜を見て弾くということは、長い曲の場合、「譜めくり」というのが必要になってくる。

ピアニストが弾きながら楽譜をめくるのは難しいが、できなくはない。

むしろ、普段は自分でめくって練習しているのだから、やろうと思えばできる。

そんな譜めくりのスキルの高いピアニストでも、伴奏をする時には「譜めくり」を誰かに頼むことが多い。


自分でめくれても、頼む。

舞台の上で、楽譜が飛んでしまうこともあるし、めくった拍子に楽譜が落ちてしまうこともある。

うまくめくれないこともある。

そんなことを想定して、一応譜めくりを頼んでおく。


実際、私は楽譜を落としてしまったことが何度かある。

落ちかけた楽譜を左手で押さえながら、右手だけでピアノを弾き続けたこともあるし、落ちてしまった楽譜の中身を思い出しながら、適当に弾いたこともある。(すみません)


譜めくりは誰でもできるわけではない。

楽譜が読める人でなければならない。

舞台にあがるので、静かにジッと気配を消して座っていられる人に頼む。

譜めくりを専門に仕事にしている人もいるくらい。

そういう譜めくりのプロのことを「譜めくリスト」と呼んでいる。(日本語の造語です)



さて、ある声楽のコンサートで、私が譜めくりになったことがある。

それはオペラ団体のコンサートだったので、所属している私にバイトの話が来たのだ。

知っている曲だったし、いい勉強になるのでOKをして、舞台に乗った。


ところが、その日、私はメガネを持っていくのを忘れた。

私は目が悪い。

だけど、普通舞台に立つのに眼鏡をかけない。それでうっかり忘れてしまったのだ。


当然、楽譜が見えない。

しかも、舞台の上は結構暗い。変な風に照明が当たっていて、妙に楽譜が見えにくい。

見えない・・・

見えない・・・


そろそろかな・・・


と、勝手に楽譜をめくったら、ピアニストに

「まだですよ」

と静かに怒られた。


ピアニストは曲をだいたい覚えている。

だから問題はなかったけれど、いきなり全然関係ないところで私に楽譜をめくられて、さぞや驚いたことだろう。

ピアニストのAさん。その節は大変失礼しました。


その後何度かAさんに伴奏をしてもらっているけれど、申し訳なくて辛い。





楽譜をめくるというのは、ページをめくることです。


ピアノ→ピアニスト、

譜めくり→譜めくリスト(という造語)


「めくる」「めくり」と何度も書いていたらゲシュタルト崩壊を起こしましたw

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