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黒い音楽教室  作者: marron
15/20

15■歌いたいあまり

大学時代によく聞いた話し。



音楽はお金がかかるという話を何度もした。

お金が無くて音楽の道を諦めた人というのも結構いると思う。まあ、よっぽど実力があれば、誰かがパトロンになってくれて、コンクールや何かで結果を出せば歌い続けることはできるだろうけれど、どん底の貧乏で音楽を続けていくのは難しい。



では、逆に実力はなくともお金がある場合はどうだろうか。

この場合の実力がないというのは、音大に行くほどの実力がないというくらい。ということにしておこう。

音大に行く実力がないって、かなり下手な部類だと思う。

つまり、とても人前に歌って聞かせるレベルにはなれない人で、ひと様に聞いてもらってお金をとるだなんて、とんでもない、という人。



私は一応声楽家ではあるけれど、自分がソロで歌っているCDは出していない。幾人かで歌っているものは(企画モノだけど)あることはある。

自主制作をする人は、時々いるかな。ちゃんと舞台を経験している人ならば、自主制作CDでも、かなり良いものだと思う。

だけど、CDを作るのは大変なので、自主制作はよっぽど根性がないとやらない。



しかし!

CDを作る根性とお金がある人がいる。

根性とお金、そして情熱がある。

情熱はある。

歌いたい。

CDも出したい。


けれど、実力はない。


けどね、こういう人は、作っちゃうんだな。

音大の授業で聞いたことがある。

どうしても「夜の女王のアリア」が歌いたくてレコード出しちゃったお金持ちのオバサンの歌。


そりゃーもう、聞くに堪えないすごい声。

ハイソプラノの超絶テクニックのコロラトゥーラのアリアが素人に歌えるはずがないのだ。

勿論、プロにレッスンをしてもらったのだろう。

伴奏者も一流だろう。

お金がかかっている。

レコードにもなった。


しかし、下手!

もう、教室中大爆笑だった。

この方、その情熱を買われて、何度も舞台を踏んだらしい。



・・・という話が、ひとつふたつじゃないんだ。





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