実家
翌朝、家族を送り出した後 じぃさんと車で20分ほどの実家に向かった。
もちろん 回りの人には見えていない・・・。でも、私にははっきりと見えてるんだよね。
じぃさん 隣でシートベルト付けて座ってる。逝っちまってからもちゃんとしてる人だ…。
友達が多いのか 信号で止まるたびに友達が話かけにくる。もちろん ガラスを通り抜けてね。
「じぃちゃん、友達多いね。」
「あぁ みんな逝っちまってから仲良くなった」
さすがうちのじぃさん 逝っちまってからもエンジョイしちゃってるよ(笑)
何事にもポジティブなのは見習いたい。
じぃさんが友達十数人と話してるうちに、実家に着いた。
あれ?じぃさん お洒落してるよ。
ばぁちゃんに会うのも久しぶりだもんね。18年ぶりくらい?
霊ってものは便利なもので、さっきまで普段着だったはずなのに ばぁちゃんに会うからかスーツに着替えてるよ。
じぃさん・・・ばぁちゃん見えてないから(笑)
「こんにちわ」
「今日約束してたっけ?」
私の母が玄関を開けた
「前さ。あげるっていってたヤツ。貰いに来た」
「ふーん。まぁいいけど」
じぃさんに言われるまま 仏間に入っていった。
「箪笥の一番上の引き出し開けて、ベルトが皮の時計をはめてみろ。左じゃなくて右な!」
私はじぃさんに言われた通り 時計を腕にはめた。




