会談
あれからしばらくして俺たちは会議室に呼ばれ、丸い円卓を囲むように席に着いた。
「今どのような状況になっているのですか?」
リーンが状況を把握しようと質問すると、苦い顔をしたゼノンが
「・・・陛下がこちらへ来てやっと王都より援軍が来る手はずとなった。到着は5日後だ。」
「それはまた行動が遅いんじゃない?」
ミコトがそう言い放つと、ビルギット王は
「・・・痛いことを言ってくる・・・私にもっと力があれば・・・」
聞けば大臣たち高級官僚がけん制し合って中々ことが進まないんだとか・・・
「援軍の規模は?」
俺の言葉にゼノン将軍は
「1000て所だな・・・ここの兵数300とビースガルドの援軍が300・・・計1600ってとこだ。」
「他の国からの援軍は?」
俺の言葉にビルギット王は
「セイントキングダムに要請はしているが、返事が返ってこないんだ。あと天魔王国とルインその周辺の北西大陸の戦力は亜人王戦、それに獣王軍に備えて動かすことが出来ない。まぁ補給物資に関してはキョウ殿が手配してくれることになっている。」
「そのキョウと言う方はどういった方なのですか?」
「キョウ殿は天魔王国の王である天魔王だ。」
横からゼノン将軍が説明してくれた。
(天魔王・・・やはりあの少年が・・・)
「補給に関しては心配ないとして、今後の戦略はどのようにお考えですか?」
「それなんだが、南にある都市シルドラがすでに冥王軍の手により落とされている。そこを何とかしなければ南から王都へと攻められる恐れがある。」
そのビルギット王の言葉にミコトが
「ふぅ~ん、じゃまずそのシルドラを奪還しなければならないと。」
「そうなる。」
ゼノン将軍のその言葉に
(戦力が足りない・・・か)
「戦力が足りませんね。」
リーンが俺の思っていたことを言ってくれた
「そう・・・ここを守りつつ都市の奪還・・・戦力が足りなすぎる。」
小さな声でビルギット王が呟いた。
俺は
「その都市に駐留している冥王軍の数は?」
「10日前に確認したとこによると300だった。」
ゼノン将軍が言った言葉・・・10日前
「増えてる可能性がありますね。」
そのリーンの言葉に俺は
「周辺に確認された冥王軍は?」
「周辺に居た部隊のほとんどがここガンドークに攻めてきていたから、今がチャンスなんだが・・・」
「今ここに全ての戦力が揃っていればやりようはあったのだが・・・」
(ビルギット王の言葉も分かる・・・ここに今1600あれば500残してその都市へ進軍できたのに・・・言ってもしょうがないか・・・)
絶好の好機なのに動けないことに一同はハァ~とため息をつくのであった・・・




