天魔王と勇者
飛空艇が到着したことにより戦況はナイトメイツ軍に大きく傾き日が昇ると共に収束した。
・・・・・・・・・・・・・・・
飛空艇が着陸してビースガルドの援軍が降りると、人々の間から大きな歓声が上がった。
そんな中ボクは、ビルギット王に、
「じゃボクはこれで帰るよ。あと補給に関しては出来る限りのことはさせてもらうよ。」
「ありがとう。キョウ殿もお気をつけて・・・また戦場でないどこかで会いましょう。」
ボクとビルギット王は、固く握手をして別れた。
ボクが飛空艇に乗り込むときに勇者とすれ違ったが今回は話をしている暇がないみたいだね・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
勇者トウマは飛空艇から荷物を降ろす指揮を忙しく行っていた。途中双剣を持った少年とすれ違ったが、
(?!何者だ?駄々ならぬ気配を感じたが・・・)
少年は飛空艇の乗組員と話して中へ入っていったが・・・
(彼らが敬意を払う?天魔王国の者か・・・)
俺が歩いていくと目の前のビルギット王が
「この度は我が国への援軍まことに感謝する。私はこの国の王ビルギット・ナイトメイスだ。」
続いてその隣にいた男が
「俺はこのガンドーク騎士団の団長ゼノン・クライスだ。将軍も兼任している。」
「これはこれはご丁寧に、俺はトウマ・キサラギ、ビースガルドで勇者をやっている。こちらこそよろしく。」
2人と握手を交わし、ゼノン将軍が
「ここでは何ですので屋敷の方に会談の準備ができております。そちらへまいりましょう。」
「お願いします。」
俺は後のことをミリオスに任せゼノン将軍の案内の元領主の館まで案内してもらい、
「しばらくこちらの部屋で寛ぎください。」
俺は待合室のような部屋でソファーに座り
「ふぅ~疲れた。」
俺についてきたリーンとミコトが笑い出した。
「フフフ、あなた行儀が悪いですよ。」
「クスクス、やっぱりまだ慣れないんだトウマ。」
俺はテーブルに置かれたクッキーをつまみ
「仕方ないだろ慣れないものは、慣れないんだから。」
「それにしても先ほどの少年変わった魔力をお持ちでしたね。」
その言葉にトウマの顔が鋭さを増し、
「変わった魔力とは?」
「光と闇相反する属性の魔力を持っていました。」
リーンがそう答えるとミコトが
「へ~ルディス様みたいだねその子・・・」
ミコトが言いかけた言葉に俺たちはハッと目を見開き
「あの少年が新しい天魔王か!」
俺は思はず大声を出してしまった。
「うるさいな~・・・でもあの子が亜人王を倒した英雄か・・・」
うんうんとミコトは唸りながらそんなことを口にした。




