フレミスの冒険者ギルド
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手を大きく振っているリムを見ながら20年前リーンとの出会いを思い出していた。
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俺とミコトはある程度この世界になれたこともあり、他の転移者や勇者を探すことや、元の世界へ帰る方法を調べるために旅に出て、最初の町に訪れていた。
街の名前は≪フレミス≫遥か昔フレアス族の国があった時の王都である。
「うわぁ~綺麗。」
ミコトのこの言葉は、西洋の街並みで、どこぞのテーマパークのようで、人々であふれかえっていたからだと思われる。
「さてガルに聞いた冒険者ギルドはと・・・」
俺が辺りを見渡していると、鎧やらなにやらの武器を所持した一団が正面の大きな建物に入っていくのが見えた。
「あれかな?」
「そうね。聞いてた感じと同じみたいだし。」
俺たちは早速登録を済ませようとその建物の中に足を踏み入れると、お昼近くと言うこともあり人は疎らで閑散としていたが、隣の酒場風の場所では4人ぐらいが昼間から酒盛りをしているのが見て取れた。
「あの~すいません。」
ミコトが受付嬢に声を掛けると
「はい。ご依頼ですか?」
「いや俺たちは登録に来たんだが。」
俺の言葉に受付嬢は
「失礼しました。ではこの用紙に記入をお願いします。」
そう言って2枚の紙を出してきて、
「代筆は必要でしょうか?」
俺もミコトもこの1か月で何とか文字を掛けるようになっていたので、
「いや必要ない。自分で書ける。」
俺たちは名前と主武器のみを記載して受付嬢に用紙を渡すと、
「はい確かに受け付けました。しばらくお待ちください。」
そう言って奥へと行ってしまった。
「ふぅ~緊張した~」
本当に疲れた表情でミコトは息をついた。
「ああそうだな。」
しばらくミコトと話していると、先ほどの受付嬢が何かを抱え戻ってきて、
「お待たせしました。すみませんがこちらに指を入れて針にチクッと指してください。」
と言って2つの実験器具のような道具を出して来た。
「これは?」
「あっすみません。これは血を採取して下のカードにたらすことでギルドカードに個人情報を記録します。つまり身分証になります。」
「は~い。」
そう言ってミコトはすぐさま指を入れて血を垂らすと、カードが少し光、そこにミコト・カンザキと名前が浮かび上がったのを見て、俺も指を入れ血を垂らした。
処理が終わりクレジットカードサイズのギルドカードと一枚の紙を受け取り、
「その紙にギルドの概要が記されています。もし分からないことがあれば私のような受付の者に聞いていただければ、答えられる範囲でお応えします。」
「じゃあその時はよろしく。」
そう言って受付から離れると入り口付近が何やら騒がしく声が聞こえてきた。




