異世界召喚04
「ト~マ!準備できた~!」
と女性の声がして振りかれると、扉が開き黒髪のポニーテールをした女性が入ってきた。
「おっ、終わってるじゃない。」
「・・・はぁ、ミコト」
「ん?な~に?」
「・・・もういい。」
「そお?じゃリーンも待ってるし、行きましょう♪」
徐に俺の手を握り歩き出した。玄関へ向かうと
「あなた。さあ行きましょう。」
と言ってリーンはもう片方の腕にしがみついた。
「むぅ!」
ミコトも負けじと腕にしがみつき歩きずらいったらない。
俺たちは冥王軍に対する援軍として≪ナイトメイツ≫北部の都市ガンドークにこれから向かうことになっている。
≪ナイトメイツ≫
騎士王国ナイトメイツ。武術が盛んな国であり、騎士道を重んじる国である。
勇者召喚は基本的にセイントキングダムでしか行われない・・・昔はナイトメイツにもあった。しかし召喚された勇者が死者の魔法に手を染め冥王となったために、セイントキングダム以外での召喚が禁止される。他にも理由はあるみたいだが、俺は知らない。
俺は確認するように≪ステータス≫と念じると
トウマ・キサラギ 36歳・男
ステータス
LV52:人族-勇者-騎士
HP:17543
MP:2349
攻撃力:757
防御力:450
魔攻:397
魔防:213
スキル
≪異世界人≫≪剣術Lv.4≫≪身体能力強化Lv.4≫≪索敵Lv.3≫≪光術Lv.3≫≪限界突破≫
と映し出された。
俺は2人に引っ張られる形で馬車へと乗り込み、ミコトを見ながら昔を思い出していた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
俺はゴブリンを倒しその場に座り込んだ
「はぁ・・・はぁ・・・思った以上にきついな・・・」
動かなくなったゴブリンを見ながらそう呟くと、何処からともなく美味しそうな匂いが漂ってきた。俺は立ち上がり辺りを見渡すと、遠くに煙らしきものが見えた。
「あっちに人がいるのかな?」
俺は息が整ったのを感じ、煙らしきものが見える方へと歩き出した・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
私がキョロキョロ周りを見ていると
「こっただ所に何か用だべか?」
と白髪交じりの男に声を掛けられ、驚いた。なぜならその頭には獣の耳が付いていたからである。
「ん?これがそっただ珍しいべか?」
男は耳を触りながら聞いてきた。
「珍しいというか・・・初めて見ました・・・」
私のその言葉を聞いて男は
「・・・あんだ迷い人だやか?」
迷い人?私みたいな異世界の人のことかな?考え込みながらも私は腰のダガーに手を伸ばすと
「まっ待つだ!おら敵じゃね~だ!敵じゃねぇ!」
男は慌てて身振り手振りで必死に言ってきた。
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