亜人王ゴブリアード02
我の眼前で少年が光りだした・・・その光景は我に千年以上前の出来事を思い出させた・・・
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我は狂気に満ちた魔族の実験により、肉体は魔族から亜人に近い形にされ、それでも我は自我を保ち復讐の機会を窺っていた。数年の歳月が流れたある日その好機は訪れた。一部の狂気的な魔族に対して他の種族が反撃に出たのである。その混乱に乗じて我は研究員の魔族たちを殺し山へ逃げることに成功した。
山で隠れ住んでいた我は数年後に1人の綺麗なエルフと出会った。彼女は山菜を摘みに山へ入ったがウルフの魔物に襲われ傷ついていた。我はウルフを蹴散らし彼女を助けた・・・
彼女の名前はリース。リース・ルイニスと言う名前だ。傷が治った彼女は山を下りたが、毎日我の隠れ家に通うようになっていた。そんな風になってから3か月後のある日
「・・・今何と言った?」
リースは頬を赤く染めて、
「だから・・・その赤ちゃんが出来たみたいなの///」
今赤ちゃんと言ったか?・・・つまりそれは我との子と言うことなんだよな・・・
「それは真か!」
リースは頷き微笑んだ。
「でかした!我に子が・・・」
我は嬉しさのあまり涙が出た・・・「バンッ!」突然エルフの兵士がなだれ込んできて、
「見つけたぞ!この悪魔族め!」
槍を突き付けながら兵士は我に向かってそう叫んだ!
「何かの間違いでは?我は悪魔族ではなく魔族だ!」
「えぇ~い黙れこの怪物が!」
そう叫ぶと他の兵士たちも叫びながら我に槍を突き立てた・・・
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あれからどれくらいたったであろう我は死んだと思っていたが体に激痛が走り目を覚ます。
「我は生きているのか?どうして・・・ハッ!リースは?リース!リース!」
我は傷が痛むのも構わずにリースを探した・・・リースはすぐに見つけることが出来た・・・家の前に十字架に括り付けられ、その腹部には無数の槍が刺さり息絶えた状態で・・・
「リ~~ス!!」
我はリースの遺体に駆け寄り十字架から降ろし、槍を抜き抱きかかえて
「リースどうしてお前が!どうして死ななければならない!」
そう叫ぶと3人の兵士が姿を現した。
「なっ!化け物!まだ生きていたのか!死ねぇ~!」
と叫びながら切りかかってきた。どうして・・・なぜ・・・我とリースが!そう思ったときに我の体から黒いオーラが立ち込めた。力がみなぎってくるのを感じ憎しみのままに兵士たちを殺した。




