レイン・ベルゼ
私はレイン・ベルゼ。デモニクス軍を率いて亜人王の居城を攻め、城門を破り、ひと際大きな扉を開けると、そこには亜人王が王座に座っていた。他に伏兵などが見当たらなかったので勝った・・・そう思ったのだけれども・・・一振りで数人の騎士たちが倒れ、今目の前には血の海が出来上がっていた。私は
「くっ!闇よ!暗き闇よ!わが手に集いて、眼前の敵を切り裂け『ダークブレイド』」
闇色に光る刃が亜人王に迫り「ジュバッ!」という音と共に亜人王の肩を切り裂いた・・・
「ほぉ・・・しかしこの程度、無駄!無駄!無駄だ!」
ゴブリアードの言葉通りに、肩に付いた傷は見る見るうちに治っていった。
「ならこれで!」
そう言って私は目を瞑り、目に魔力を集め、見開いた・・・スキル≪魔眼≫である。
≪魔眼≫
全てを見通す目であり、またレインは、目を瞑り魔力を集め見開くことで、目に映るものを闇の炎で焼き尽くすことが出来る焼却眼を使うことが出来る。
亜人王は咄嗟に盾を上げ≪魔眼≫の力を盾で防いだ。盾は黒い炎に包まれドロドロと溶け落ち
「焼却眼か・・・しかしそれではこの我を倒すことは出来んぞ!」
はいそうですかってわけにはいかないのよね・・・そう心になかで呟き再度発動させる。
「ゴォォォぉ!」と音と共に亜人王の体は黒い炎に包まれるが、しばらくたっても崩れ落ちない・・・
「ふん!」
亜人王は剣で振り払うと黒い炎は消え去ってしまった・・・そして亜人王の体から黒いオーラがユラユラと立ち込めていた・・・
「ゴブドーやゴブングには効くだろうが我には効かんよ。」
私はもはやなすすべが思い浮かばなかった。私が唖然としていると、
傍にいた騎士が叫ぶ
「姫様!お逃げください!」
「ここは我々が・・・」
と言おうとした兵士の首が飛んだ・・・そして亜人王が目の前まで迫っていた。
「中々よい余興であった。我自ら引導を渡して進ぜよう。」
亜人王は剣を振り下ろした。私は覚悟を決め目を閉じた・・・
「姫~~~~!!!」
「ガキン!」・・・そんな音がしたので私は目を開けた。そこには白い剣と黒い剣の2本の剣で亜人王の斬撃を受け止めた少年がいた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
ボクは城の中を走り、血の匂いがする方へと急いだ・・・大きな扉が開いていたのでその中へ入ると今にも殺されそうな魔族の女性がいた。
「姫~~~~!!!」
と周りに居た騎士が叫んだので、とっさに2本の剣を抜き間に入った「ガキン!」・・・間一髪間に合った・・・