ルイン王の決断
ルイン王都王城内執務室・・・ライナ王は豪華な机を前に椅子に座り考え込んでいた。
(このままではいずれ物資も食料も尽きてしまう・・・せめてどちらか一方でも倒すことが出来れば・・・)
このように考え込んでいると「コンコン」とドアをノックする音が聞こえる。
「入れ!」
「ガチャリ」と音を立て、バルドが部屋に入るなり、
「陛下!やりましたぞ!」
「やったとは?何をやったのだ!」
訳が解らずにイラッと来たライナ王は怒鳴り気味に聞き返した。
「あっ失礼しました。連合軍が帝都奪還に成功したとのこと、これで少しは・・・」
その言葉を聞いたライナ王は即座に決断した。
「よし!俺は決めたぞ!亜人王を討伐し北の脅威を排除する!近隣諸国へ至急連絡を!」
バルドは一瞬考えて、
「よろしいので?」
「よい!このままではどのみちこの国は持たん!」
帝都奪還成功を好機と見たライナ王はすぐさま周辺各国へ伝書を運ぶ魔獣たちを飛ばすのであった。
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翌日いち早く連絡があったのはドワフロト太守からであった。内容は「先の戦いにおいて我が国は多大な被害を受けており兵を送ることが出来ない。しかしながら武器などの物資を送らせてもらう。」との回答が届いた。
昼を回った頃に天魔王国より返答があった。内容は「できる限りの精鋭をそちらに送ります。詳しくはボク自身が明日そちらへ伺いますのでその時に話し合いましょう。」というものであった。
そして夕方になりデモニクス帝国から返答があった。内容は「うむ了解した。我らも全戦力を持って亜人王に借りを返させてもらおうか。」とかなり乗り気の回答であった。
更に次の日の朝になり、スターナリア王国から回答があり、内容は「私共も出来るだけ協力はしたいのですが、デモニクス帝国へ送った軍が精一杯です。ですからデモニクスに駐留する軍で支援したいと思います。」というものであった。
これらの回答を基に今軍議が開かれている。
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今ボクはルイン王城内の会議室で軍議に参加している。勿論天魔王として・・・
そして熱弁を振るっているのが長いドワーフ族のような髭を生やしたきりっとした目つきのエルフ、ルイン王国軍総司令リファイン・デミダスである。
「ですから我々が主力となり亜人王の城へ攻め入れば!」
それに反論するように片メガネを掛けたエルフ、副司令ルーカス・デントが
「我らは飛竜や竜騎兵が主力ですので、周辺の掃討がよろしいかと存じ上げます。」




