デモニクス戦役06
進軍12日目
本隊の到着と共にボクらはデモートを後にした。面倒ごとは御免だからね。スターナリア軍の指揮官には獣王軍の動向が気になるので帰ることを伝え飛空艇にて帰路に付いた。
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デモニクス皇帝の城の執務室
皇帝オーギュストは帝都奪還作戦の報告書を読んでいる・・・3種類である。1つは自国の先遣隊指揮官から上がったもの、内容はわが軍が多大の犠牲のもとに帝都並びに城を奪還したとあるが、残り2つのスターナリア軍、天魔王軍の報告書では、帝都までの道中で先頭に立たずに近隣の村より兵を集めて遅れてきたこと、帝都奪還作戦では再三の出撃要請を拒み帝国軍以外の軍で奪還したこと、そして極め付けがこれまでの失態を挽回するために単独で城に攻め壊滅寸前で助けられたことが事細かに書かれておりオーギュストは、手を額に当て困り果てていた。
「なんと愚かな・・・これでは我が国は足を引っ張るだけ引っ張った道化ではないか!」
その言葉に驚いたのは、一緒に書類整理をしている娘のレインである。
「どうなされました陛下?」
「お前はこの報告書は読んだか?」
そう言ってオーギュストは3つの報告書を掲げた。
「・・・はい。」
それを見たレインの顔は少し暗くなった。
「こいつはどうした?」
「報告書を読んだ後に捕らえております。」
「そうか・・・後で両軍の司令官に謝らねばな。」
「そのことなのですが、天魔王軍は大半が飛空艇で自国へ戻りました。」
「なに!真か!」
「はい。何でも獣王軍に動きがあったようで、その対応のために兵200を残し戻っております。」
「うむそうか・・・まるで亜人王と獣王が連携して・・・!!連携しているのか!」
偶然口に出た言葉に何かかけていたピースがはまったような感覚に、自分の言葉ながら恐れおののいた。
「はい。その可能性が高いことは天魔王国よりの情報で上がっておりました。また天魔王国経由でありますが、ビースガルドより今回の魔王は6体ではないかとの情報が来ています。」
その言葉にオーギュストは神に祈らずにはいられなかった・・・
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ナイトメイツ領≪シルドナ≫
≪シルドナ≫
冥府の沼地と呼ばれる冥王の居城があるとされる地を監視するために作られた都市
今ここの城は炎に包まれていた・・・「カタカタ」と骨が揺れるスケルトンの手によって・・・




