旅立ち
召喚されてから3年
キョウは旅の準備をしながら3年間を振り返っていた。
「はぁやはり一番は、まさか人族じゃなくなるとはね…」
キョウ・スメラギ 15歳・男
ステータス
LV5:神人
HP:360
MP:125
攻撃力:207
防御力:80
魔防:70
元々は人族であったのにどうしてこうなったかというと、ひとえに天魔夫妻のせいである。食事と称して毎食自分達の血を使った術式を組み込みその力が馴染んだのが1年前のこと・・・朝いつものように起きると目につくものの情報が頭の中に浮かんできたのだから驚きである。聞けば人族のままでは2人と寿命が違い守れないからとのことだが…事前に教えてほしいですね。
そこからの修行はこれまでの修行とは違ったんだけれど…
「あにさま!わたくし達の準備が終わりました♡」
小さな角を2つ頭につけた赤い髪を肩まで伸ばした少女がボクの後ろから声を掛けてきた。
「…ん、兄さん終わった。褒めて」
そう言って狼の耳を頭につけた青白い短髪の少女が頭を差し出してくるので撫でてあげた。
「ん♡」
少女は嬉しそうに眼を細めた。
「じゃ行こうか」
「はい!」
赤髪の少女オウカが元気よく答え、
「…ん」
短髪の少女ロウハが頭を撫でられながら答えた。
「それじゃ行ってきます。ルディス様、セリカ様」
居間に受かってボクはそう告げると
「様はいいのに~…いってらっしゃい」
とセリカは答えた。
「そうだぞ今は貴様が天魔王なのだから」
とルディスがこたえると、ボクは頬をかきながら思い出していた。
そう一通り修行が終わった2日前「貴様今日より天魔王を名乗れ」と言われ、何でも神龍と神狼の守護者が天魔王だとか説明を受けた。まぁよく理解はできなかったが、そういうものと無理やり納得した。
「あっそうだこれ渡すのを~忘れてたわ♡」
セリカはそう言うとそれぞれに同じような指輪を渡してきた。
「これは?」
その指輪を見てボクは説明を求めた。
「封印の指輪じゃこれで色々とごまかせるぞ」
ルディスの言葉に従い、キョウは指輪を付けるとサイズが自動で調整されてぴったりと指にはまった。
はめたのを見てルディスは、
「ステータスを見てみい」
ボクはその言葉を聞く前に「ステータス」と念じステータスを見る。
キョウ・スメラギ 15歳・男
ステータス
LV5:人族
HP:250
MP:100
攻撃力:55
防御力:31
魔防:26
「どうじゃ」
ルディスはにやけながら感想を聞いてきた。
ボクは我を忘れてステータスを見入った居たことに気づき、
「これは…ありがとうございます。」
「よい、選別じゃ」
ルディスは照れながら答え、2人の少女たちもセリカに指輪をつけてもらい喜んでいる。
「その指輪は、それぞれリンクしているから居場所が分かったり~致命傷でも3人でダメージを分けれるすぐれものよ・・・呪いだけれど」
(えっ呪いですか・・・はぁ考えようによっては加護か・・・)
気を取り直しボクは、2人に視線を向け確認をとり
「いってきま~す。」
ボクにつられるように
「いってまいります。」
「ん、いってくる。」
その言葉を受けてルディスとセリカは
「「いってらっしゃい」」
ボクたち3人は歩き出す・・・目指すは「城塞都市ガードナ」
次回から本編予定です。