拠点攻防戦06
2回目の攻防戦から1日が過ぎていた。夜通し走り疲れた体でガンゼンは本拠地である魔人の砦の門前に来ていた。
今現在ガンゼンの部下は3人となっている。道中魔物に襲われ9人が犠牲となっていた。そんな中ガンゼンはただ息を切らせているだけで、
「・・・はぁはぁ・・・」
代わりに隣に佇む兵士が
「開門!開も~ん!ガンゼン様がお戻りだ!開も~ん!」
ドンドンとたたきながら叫ぶがいっこうに開く気配すらなかった。しばらくすると自分たちを包囲する気配を察知した。ガンゼンは慌てて剣の柄に手をまわし、
「なにやつ!姿を見せい!我はガンゼンなるぞ!」
辺りを包囲していた中から1人の髪の長いきれいな女性が前へと進み
「叔父様。貴方を反逆罪で捕らえさせていただきます。」
「カーナよ私が反逆?何かの間違いじゃ!なぜ私がそのようなことを!」
カーナは首を左右に振り、
「叔父様の執務室より、私に宛てられた守護の一族からの手紙が見つかりました。あとコボルとの謀反の計画のやり取りを記した手紙も一緒に見つかっているんですよ?これでもまだしらをお切りになるというのですか?」
「チっ」と舌打ちが聞こえて
「何を言っている反逆は守護の一族であろう?それは説明したはず。もしそのようなものが私の執務室から見つかったのならそれこそ守護の一族の陰謀だ!」
「いえ彼方は無実であることが天魔王様ご本人より証明されました。これでもまだ貴方はしらを切るというのですか?」
「知らん!私は知らん!・・・そうだコボル!コボルに聞けば私が無実だと証明されよう。そうだコボルを呼べ。」
「コボルなら昨日コルト殿に捕らえられ、全てをお認めになられ、叔父様に今回の件を持ち掛けられたと・・・ご自身から証拠を見せてね。」
それを聞きガンゼンはドサリトとその場に崩れ落ちた。
「そのもの等を捕らえ牢にでも入れておきなさい。」
「はっ!」
ガンゼンは抵抗するでもなく簡単に兵士に捕らえられ、連れていかれた。
「・・・はぁ失った信用を勝ち取るのがどんなに難しいか・・・リリアにでも相談しましょうか・・・」
そういってカーナは古城のある方角を見ていた。
・・・・・・・・・・・・・・・
獣人の砦
「・・・はぁ父上が素直に認め証拠まで出してくるとは・・・しかしいくら唆されたとはいえ古城を攻めてしまうとは・・・」
コルトは父親に呆れつつも今後どうやって信頼を回復しようかと考えていた。
「わ・・・コホン。コルト様まずは黒幕の調査をして此度の全容を把握するのが一番かと。」
「うむ。爺の言う通りだな・・・よし!カーナ殿へ連絡を取り共同で調査するぞ!」
「御意!すぐに手配を!」
そういって爺は部下にすぐさま指示を出すのであった。