拠点攻防戦02
行軍中の獣人部隊野営地では、兵士たちが
「くそ何なんだあいつら!」
「林の中が一番ひどかったなぁ~」
「あれで本体と離れてしまったからな。」
そう兵士達が愚痴りたくなるのも無理もない。初めは道が荒らされていたり些細なものであったが、木々が生い茂る林の中の街道に差し掛かった時にそれは起こった。
進むごとに鋭く折れた木々が飛んで来たりして、抜けるころにはもはや罠と呼べるほどになっていた。
ここで野営しているのもこの先で落とし穴があり多数の被害が出ていたからだ。
獣人軍の部隊長であるコルトは
「これはどういうことだ爺。」
「・・・ふむ。明らかな妨害工作であると存じますが・・・若!この戦い何か裏があるやもしれませぬぞ。」
「そうだな前回の戦い最後に出てきたあのガーディアン・・・あれほどの物が配備されていたなど聞かされてはいなかったからな。」
「それなんですが若。実はわたくし目はあれに心当たりがあります。」
「それは本当か?」
「はい。あれはフォルト殿が天魔王様に献上した品かと思われます。」
「何!ではあの噂は・・・」
「そのようで・・・むしろこちらが謀反軍ということになりましょう。」
「・・・爺!わが隊はフォルト殿への要請という名目で離脱するぞ。」
「分かりました。」
こうしてコルト隊は離脱していった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
先行している本体でコボルは
「フォルト殿はいったい何時御出でになるのだ!」
「はっ!若様が要請の使者として向かいましてございます。」
「そうか・・・コルトのやつが・・・なら大丈夫だろう。」
・・・・・・・・・・・・・・・
一方そのころコルト隊はレームの村への街道で無数のガーディアン達に包囲されていた。
「若!すでに囲まれています。」
「くっ!この数強行突破は無理か・・・」
暗がりから1人コルト隊の前に歩み出る
「フォフォフォ久しいのぉコルト殿。」
「・・・フォルト様・・・これはいったいどういうことでありましょうか?」
「なにちょいと反乱軍を包囲しただけだが?」
「・・・くっやはり父上達が天魔王様を裏切っていたというのか・・・」
「そっそれならばフォルト殿も同じではないですか!」
「爺!よせ!もうよい。」
ふ~んこの人たちは状況が分かっているということか・・・
「フォルト老。ボクに話をさせてもらっていいかな?」
ボクはそう言いながら暗がりから姿を現した
「フォフォフォ構いませんよのぉ初めからそのつもりでしたからのぉ。」




