防衛戦03
橋を挟んで対峙していた両軍は、こちらの魔法師たちによる魔法の一斉攻撃により火蓋が切られた。ゴブリン達は、数の上ではこちらの6倍くらいはいるであろうことが分かる。しかしながら橋は石造りの頑丈なものとはいえ、幅がそれほど広くない馬車がすれ違うことができる程度である。
そこを渡ろうと必死で突撃してくるが、こちらに築いた砦により阻まれて、ボルクさんの指揮のもとに、魔法や矢の餌食になっていく。このままいけるのでは?と皆の間でそんな雰囲気が流れたが、ゴブリンジェネラル6体の突撃により吹っ飛んだ。
こちらの攻撃が防がれてしまっているからである。このままでは、門が破られるのは時間の問題だからである。頑丈と言っても木製だしね。
ボルクさんがボクたちにすぐさま指示を出す。
「キョウ!悪いがお前さんたちジェネラルの相手頼めるか?このままじゃ門が危ない。」
「ええ、分かりました。オウカ!ロウハ!全力で行くよ!スズカは、僕らの援護をお願い。」
まずボクとロウハが下に飛び降りて、周囲のゴブリンソードやナイトを瞬く間に蹴散らし空間を作り、そこにオウカとスズカが飛び下り、オウカはそのまま自分で着地し、スズカはボクが受け止める。
「あっありがとう///」
頬を赤く染めてスズカがお礼を言ってきたが、戦闘中であることから
「気にしないで、皆行くよ!」
「「「はい(ですの)!」」」
返事を聞くや否や、ボクは門前にいるジェネラル6体に向けて突撃した。勿論封印は開放済みである。そこから舞う様な双剣術による連撃で瞬く間に2体のジェネラルを倒した。
「なっ!奴らあれほど強かったのか?」
ボルクさんのそんな声が上より聞こえてきたがそんなの無視!気にしていられません。
他の4体のジェネラルは警戒を強めたが、遅すぎです。圧倒的なスピードでロウハがジェネラル4体を切り裂きながら駆け抜ける。そこへオウカの光のブレスが襲いジェネラル2体が倒れる。そして残り2体をボクとロウハで追撃して打ち取り、門前のゴブリン達を一掃した。
これを見ていたゴブリンキングが、
「ギャギャ!」
と叫ぶと橋の向うにある森の中へゴブリン達は消えていった。30分ほど経ったが戻ってくる気配がないので、門の上より梯子を下してもらい、ボクたちは砦の中へと戻ると、
「「「わぁ~~~」」」
という歓声に包まれた。色々聞かれるかと思ったが、そうでもなかった。・・・ふぅ取りあえず安心です。
ボルクさん達は今後討って出るのか、このまま防衛戦を続けるのか話し合っていますが、打って出るならボクたちに話しがきそうですね・・・はぁ全く・・・昔は期待などされていなかったのに・・・そう思いながらボクは夜空を見上げた。