部下の忍び
彼はハヤテ、ドラグーナ時代のボク付きの忍びだったものである。なぜこの国にと思ったが、きっと真面目な彼のことだから・・・
「お探ししました。若様ご無事で何よりです。」
やっぱりか・・・はぁ
「別に探さなくても良かったのに・・・」
その言葉がハヤテの気に障り説教じみた言葉を発しているが、そんな場合ではない。スズカが驚いているからね・・・スズカには後で説明しようと思う。ボクたちの秘密についても一緒に・・・そう割り切りボクは、
「スズカ説明は、後でするから今はゴブリンの大部隊に集中しよう。」
「・・・はい。どこで防衛するのがいいかでしたか。」
スズカもハヤテは無視するらしいね・・・まぁ今それどころじゃないしね。そうするとオウカが周辺の地図を取り出し、
「ここで防衛線を構築するのが、よろしいんじゃないでしょうか。」
見るとそこは山脈から流れる橋の手前、川はそれなりの深さがあり、流れも急であるため必ずこの橋を渡らなければならないところである。
「そうだね。この川がちょうどよくこちらとあちらを分断してくれているからいい場所だね。それに川幅も結構あるから遠距離の攻撃に対しても受けにくい場所だね。」
「でも隠れる場所がないわよ。」
「スズそこは、今から行って陣を敷けばよいのだよ。」
スズカは振り返り
「サリちゃん!」
「はぁい。」
とサリアは軽く手を振っている。あれ?でも『ホワイトキャット』ってランクDじゃなかったっけ?
ボクが不思議に思ったのに気付いたのかミリアが
「ランク上がったんだよCに!」
あっそうですか
「おめでとうございます。」
「おう!そんであたい等も協力するぜ!そこの防衛。」
「ミリアねーさん!いいんですか?」
「ああ、あたい等も人集めようかって話し合ってたとこでさちょうどよかったんだよ。」
それからボクたちは、ホワイトキャットのメンバーと一通り話し合って、先にボクたちが先行して陣を敷き、ホワイトキャットが食料など調達してくるという事が決まった。
勿論この話し合いの間、ハヤテをほっといたら涙目になっていた。
「ハヤテも来る?」
とボクが聞くと、ぱぁっと嬉しそうに頷いたので連れていくことにした。しかしながら今現在別のパーティーに所属しているので、そちらに断りを入れてから、ボクたちを追いかけて来ることとなった。
ボクたちは、木材などを仕入れて橋の所へ急いで向かったが、まだゴブリンの大部隊は来ていなかったので、時間を掛けそれなりに頑丈な陣を築くことに成功した。
ハヤテ君の扱いがちょっとひどくなってしまった。でも今回の話の中に出てきたメンバーの中では一番LVが低かったりします。Bランクパーティーにいても臨時扱いで戦闘に絡みにくかったためであります。