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青春謳華  作者: 桂木 景
6/50

本音トーク

まちにまった土曜日。今日は邪魔者(隆史)がいないので幾分か気が楽だ。

で、俺は何をしているかというと……興奮のあまり駅に早く着きすぎて西城を待っている。男として遅刻は許されないからな。(←言い訳)

「陽介、早いんだね。」

西城は白で統一された服を着てきた。何着ても可愛いんだな。

「ちょっと楽しみでさ。」

苦笑いでごまかしておく。

「電車乗ろうよ。」

西城はお構いなし改札へ向かう。少し落ち込む俺。そんだけ西城が楽しみにしてるって事かな。

「ちょっと待てよ。」

小走りで西城に追いついた。ホームまで行くも、いざ何を話したらいいのか全く見当もつかない。

「エミちゃん新曲の『believe my love』歌ってくれるかな?」

「歌うでしょ。最近出たばかりだからあまりレパートリーもなさそうだし。」

「おぉ。陽介、なかなか鋭いな。」

「そんなこと無いって。」

西城に褒められた俺は照れてしまった。

「陽介?」

「ん?」

「なんか楽しそうだね。」

そりゃぁ、西城さん。好きな女と一緒にライヴ行くんだから最高に幸せでしょ。しかも邪魔者のいない初デートだし。

「西城と二人っきりだからね。」

思わず俺はにやけてしまった。

「そうだよね。前は如月さんとかいたもんね。そうだ、そうだ。陽介と如月さんって昔付き合ってたことあるの?」

いきなりそんなこと言われましても…。あ〜ドキドキした。

「幼稚園の頃からの幼馴染みなんだ。如月はあんな性格だからあんまり周りに友達がいなくてさ。その反動だと思うんだけど、未だに幼稚園時代の呼び名で呼んでるんだよ。」

「へぇ〜、そうなんだ…。ようちゃんは如月さんのことをなんて呼んでたの?」

「え…。いや…あの…。」

西城に『ようちゃん』って呼ばれた。『ようちゃん』って呼ばれた!!今日は寝れないだろうな。

「教えてよぉ〜」

「さっちゃん。」

「アハハハ。そのまんまなんだ。」

なにをそこまで笑わなくても。かなり恥ずかしかったんだぞ!!(泣

「私もようちゃんって呼んでもイイ?」

「なんで…。結構恥ずかしいんだぞ。」

「多分ね、多分なんだけど…。如月さんって陽介のことが好きだと思うんだ。」


えぇえええええええええええええええええ!!

ちょっと待てええええええええええええええええええ。

如月が俺のこと好きだって???

西城さん、それって何かの間違いですよ。

俺たち幼馴染みってことで他には何の共通点もないし…。それに如月は作家目指してるし。


「カンチガイダト、オモイマス。」

はい、しっかり動揺しちゃってる俺。西城にバレバレだな。

「ブッ。」

西城に噴かれた、西城に噴かれたよ〜。そんなに笑わなくっても。こっちは結構ショックだったんだぞ。

「な、なぁ西城。本当にそう思うのか?」

「うん…アハh……。ふぅ〜、落ち着いた。だって早紀ってずぅ〜っと陽介のこと見てたよ。私とちょっといちゃいちゃしてたらすっごい目で見てきたし。でも早紀には陽介のこと渡さないもんね♪」

うぅ……西城……。俺、感激したよ。

「西城ありがとう。」


駅が近づいてきたので、それっきりこの話はすることがなかったけど、西城の思いを始めて聞けてかなり嬉しかった。

でも如月とこれから上手く友達として付き合っていけるかどうか、不安だ。


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