文化祭の準備
あ〜だこ〜だしているうちに文化祭まであと3日。
学校は文化祭ムード一色でいつもより活気づいている。
俺たちは野外ライヴから室内に移動した。遠坂が「熱中症になったり、日焼けしたりしたら先生どうやって責任取ってくれるんですか?」と言い寄ったからだ。どうやらこの作戦で中止にしようとしたらしいが、篠山の奴は校長に売り上げの30%を納入することを条件に特別に文化祭開催期間中、体育館を使用できるとんでもない権限を獲得してきた。
もうなんていったらいいのやら…。
あ、ちなみに俺たちのギャラはないからw
「小谷くん!!」
回想にふけっている俺にあの時、野外ライヴの案を出した………(名前喪失。。)女子が声を荒げてきた。
「な、なんだよ?!」
「練習の方、しなくても良いの!!??」
な〜んだ、そんなことか…。
「全然大丈夫だ。気にする必要なんかないぜ。」
「一体何曲歌うつもりなのよ!!」
「3曲ですが?」
「!!!たった3曲?!?!?」
「必要に応じて作ってるだけだからな。ストックはそんなにないのさ。それに、文化祭のために余計に2曲も作ったんだぜ。俺は1曲でいいって言ったのに…。」
「1曲聴くだけで入場料500円も取れないわよ!!」
彼女は苦笑混じりに言う。
「3曲だからいいじゃん。」
「もう!!」
怒ってどっか行ってしまった。なんか俺、怒らせることしましたか?
「陽介、なんだ教室にいたのか。」
と、隆史登場。
「やることないからな。」
「体育館にいってステージ見てこいよ。多分、お前卒倒するぜ。」
マジ?
俺は隆史に連れられて問題の体育館に…。
うぅ、寒気がする。扉の隙間から禍々しい気が…。
ガラガラ
俺の目の前に広がった光景は…。
ステージのバックに垂れ幕がかかっている。垂れ幕自体は良しとしよう。でもなんで露骨にハートマークがついて。”LOVE 陽介”って書いてあるの?
てか、俺のアコギ(アコースティック・ギター)に妙なフリフリが付いているし。しかもマイクには特大のリボン…。
まさしく、女の子バンドが好きそうな設定になっておりますな…。
「陽介、生きてるか?」
「今、生死の境を彷徨ってたところだ。」
「どうする?」
「全部外す。」
俺はドシドシと舞台に上がり、盛大に飾られた俺の聖なるアコギを救出。
次はあのふざけた垂れ幕の切除に…向かおうとしたら、女子の猛抗議にあった。
「ちょっと小谷くん!!なにしてるのよ!!」
「こんな恥ずかしい舞台で、できるかよ!!」
「可愛いじゃない!恥ずかしくなんかない!!」
「可愛くもないんだ!俺はこんなのは嫌だぁああああ!!!」
俺の必死の抵抗が功を奏したのか、後日男子陣が考案した垂れ幕に変更され、そのたファンシーなフリフリも切除された。
女子のパワー恐るべし…。