まさかの、まさか?!
俺と隆史が会場に戻ったのは夕暮れだった。
まだその後、お互いの事や昔話に花を咲かせて笑い合っていた。
なんだかんだ言っても俺たちは…腐れ縁みたいだからな(照れ笑い
「も〜ドコに行ってたのよ〜。捜したんだよ!!」
頬を若干膨らませた西城が俺の胸元を叩きながら言った。
「暇だったから隆史と公園で遊んでた。」
「暇って…!!表彰式も全部終わったんだよ!!」
「「マジ?!」」
「大マジだよ!!二人いなくてエミちゃん一人でステージに上がって恥ずかしそうにしてたんだから!!」
「遠坂、悪かったな。」
「もういいですよ。過ぎたことなんだし。その代わりと言ったらなんですけど…。」
語尾が尻すぼみになって最後の方は聞こえなかった。
「なんて?」
「柳さんのテレビに出演することになりました!!!!!」
「………マジですか?」
「はい。」
チーン。
終わった…。
「ようちゃんドンマイ♪」
如月はなんだか嬉しそうに言っている。
「俺は…俺は…いかないからな!!!」
「ちょっとなんで?!」
「俺はそんな話、承諾しとらん!!」
「でも契約書にサインしてきちゃったし…。」
……
「一ついいか?」
「ハイ。」
「出演日いつ?」
「9月14日です。」
「その日文化祭だよ。アヒャヒャ。」
隆史!ナイス!!
顔面蒼白の遠坂、困惑気味の如月、知らないフリしてる西城。
お…おもしれぇw
「で、でも…夜ですし…。」
「あら?明け方まで大宴会だよ。アヒャヒャ。」
隆史の奴…残酷だな。
ま、おもしろいからいいんだけどなw
おもむろにケイタイを取り出した遠坂は、電話し始めた。
「遠坂です、先ほどの件で……ハイ……今予定を確認したら文化祭みたいで………ハイ…ハイ………ですが夜は宴会らしくて………え?本当ですか?!ありがとうございます。………はい、よろしくお願いします。」
電話を切った遠坂は勝利の笑みを湛えていた。
「今柳さんに連絡したところ特別に、文化祭の野外ライヴを撮影して下さることになりました。これで大丈夫です!」
チーン。
今度こそ終わった…。にげれねぇ…。
ハッ!仮病!そうだ、これだ!!
「あ、病気でも撮影を強行するそうです。」
読まれた…orz