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青春謳華  作者: 桂木 景
4/50

西城、怒

俺にとって西城との登校は正直辛い…。なんでかっていうと、周りの目が一番痛いからだ。女性陣は俺たちの交際を受け入れてくれたみたいだが、男性陣の(特に西城ファン)恨み・ねたみの視線が…。

問題の西城はというと、男性陣の視線など軽くスルー(ってアピってる?)して、俺の腕に絡みついてきたりしている。

「陽介!話聞いてる?」

「悪い。考え事してた。」

「もう〜、怒っちゃうよ!」

ん〜怒った西城の顔もきっとかわいいんだろうな…。って何いってんだ俺!(汗

「ごめん、ごめん。」

「ボーっとしてるから学校に着いちゃったじゃない!知らないんだから!」

あ〜あ、頬をふくらませて怒る姿もめっちゃかわいいな。

俺の妄想を振り切るかのようなスピードで西城は靴を履き替えて教室に向かってしまった。


「西城を怒らせたんだろ?」

席に着くとそうそうウザイ奴がやってきた。

「なんで分かるんだよ。」

「お前見りゃわかるよ。」

「そんなこと書いてないぞ。」

「心にしっかりと書いてあるさ。」

『……』

こいつ、読心術つかえんのか。

「っていうのは冗談。ずっとお前の後ろにいたからさ。」

確かに隆史の手には鞄が握られている。

「で、西城はなんて?」

遠坂恵美とおさかえみのライヴがどうとか…。」

遠坂恵美、今話題のアイドルだ。容姿、歌唱力共に完璧で、ましてやライヴのチケットなど3時間で完売してしまう。まさか遠坂のライヴに連れて行けって言うんじゃないだろうな。

「マジか。お前の話信用できないから昼休み、西城に直接聞くことにするわ。」

「なんかそれって結構傷つくぜ。」

「プライドないから大丈夫だろ?」

「それもそうだがな。」



西城のことを考えていたら午前中の授業なんか一瞬で終わってしまった。そんな中、一抹の不安を抱きながら俺は午前の授業終了後屋上へ向かう。

「今朝のことなんだけどさ。」

弁当を開けていた西城の手が止まる。

「知らない。」

頬を膨らませながらまたしても怒ってしまった。

「遠坂のライヴの事だろ?お、この卵焼きウメェ。」

弁当を口に運んだ俺は、お世辞なしの率直な感想を述べた。」

「本当?!それ自信作なんだ。しかたないな。教えてあげるよ。あのね、お父さんに音楽関係の知り合いがいて、その人が遠坂恵美のライヴチケットを2枚貰ってきたんだ!!」

西城は財布から大事そうにチケットを出した。確かに遠坂恵美のライヴのチケットだ。てか、これ初回限定のかなりイイ位置じゃん。

「もしかして二人でいくの?」

「あったりまえじゃん。今週の土曜だよ。」

え〜っと今日は木曜日だから……明後日じゃん!!

「土曜!?場所は?」

「厚生年金会館。電車で20分の所だよ。」

「OK、OK。予定入れとくね。」

まぁ、こんな寒い時期にドコ行くか正直迷っていた俺にとってはかなりの朗報だ。西城には感謝しないとな。

「エミちゃんって私たちと同じ年なんだよ?知ってた?」

「マジ?トップアイドルなんだから年上だと思ってたよ。」

「あはは。それってエミちゃんが老けてるってことだよね?!それとも陽介の目が悪いのかな?」

「おいおい、からかうなって。」

せっかく話が弾んできたのに、予鈴が鳴った。ふぅ、帰り道でも話の続きをするか。

「陽介次体育だよね。」

「なんで知ってんの?」

「いつも窓から見てたから。」

西城はすこし顔を赤くしてそういった。それって前から俺を見てたって事か?いやしかし、恥ずかしいな。

俺は体育を理由にその場から逃げ去るように教室へ向かった。


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