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青春謳華  作者: 桂木 景
36/50

全国大会へ

とうとう全国大会前日。正直言ってマスコミやらが取材といってしつこく俺たちを付きまとうのだ。本当にうんざりする。

「小谷君、今の心境はどうかな?」

いつかの女リポーターが目を輝かせてインタビューしてくる。だるい、だるい。

「普通です。」

「緊張とかしないんだ。過去に大きな大会とか出たことあるの?」

「無いです。」

「その割には落ち着いてるね。そうだ、今日の意気込みを聞かせてくれるかな?」

うぜぇ、うぜぇえ、うぜぇえ!!学校という顔がないのなら、カメラをたたき壊してやるのに…。

「何時も通りです。」

「そう、何時も通りの素晴らしい演奏をしてくれるのね!期待してるわよ。」

なにをどう解釈すればそういう風になるんだ?!てか、あんたに期待されてもな〜。

「そうそう、遠坂さんの最近の調子はどうかな?」

「さぁ?本人に聞いた方が早いんじゃないですか?」

「小谷君から見てどうか聞きたいんだけど。」

「何時も通りだと思いますよ。」

「元気いっぱいのライヴでの遠坂さんが見れるワケね。楽しみだわ。そろそろ行かないといけないから。またね。」

激しくウザイ女リポーターは穏やかに笑って(鳥肌が立った)カメラさんと去っていった。編集してとんでもない内容にしてくれるんだろう。

ふぅ〜だるい。新幹線に乗るまでどうしてこんな事に付き合わなくちゃならないんだ?

俺は神を恨みながら到着する新幹線に乗り込んだ。

さて、どうして俺が一人なのかというと…

篠山の野郎が、担任という地位を利用して俺たちを引率すると言いだしたのだ。遠坂と一緒にいたいという下心見え見えの40後半のバーコード頭の言うことはもちろん断固拒否。俺たちの交通費を出す学校側も引率と言うことになれば当然篠山の交通費も支給されるわけで、諸経費を抑えたい経営陣も拒否。しかし、篠山の奴、諦められなかったのか校長に自腹裂いて行くと言うことを言い始めたわけで…。俺はそんな篠山を出来るだけの敬意を込めてロープで縛り上げ、せめてもの慰めに女子更衣室の天井から吊す作業をしていたのだ。それで遅くなったって言うわけ。

幸い俺の座席は窓際で今頃篠山は見つかってるんだろうか、なんて考えて一人ニヤニヤしていた。

「お!陽介この電車だったんだ。」

なんと上機嫌の西城が!!なんで??そんな偶然ってアリ?

「って何で陽介だけ?」

俺は先ほどのいきさつを手短に話した。

「なにそれ?キモイ。」

ありがたいことに西城も俺と同じ結論に達してくれたようだ。

「だろ?それで遅れたってワケ。」

「なるほどね〜。」

「それより、俺の横座っていいのか?」

「誰もいないんだから問題ないんじゃない?」

「そっか、問題ないか。」

「それよりもう、お昼だよ?」

そういえばそうだな。

「何も買ってないからイイ。」

「そんなのダメだよ。ほら、私のお弁当あげるから。」

そういってバックをごそごそしているかと思うと小さな弁当箱が出てきた。

「西城のぶんなくなるだろ?それに売店あるから行けばいいし。」

「そういって結局はいかないつもりなんでしょ?」

ギクッ

「そんなワケないだろ。」

「私が買いに行くから、その間食べてて!」

なんだか強引だなと思いつつ久しぶりの手料理に舌鼓をうつ。

この卵焼きの…

などと考えていたら西城が戻ってきた。てか、早い…

「はい、足りないと思うからおにぎりも買ってきたよ。」

そういって3つばかり俺の膝の上に置く。

「料理の腕上げたな。」

「分かる?最近、自分でも成長したなって思ってたんだ。」

楽しそうに俺の横で話す西城にチクリと胸が痛かった。

こんにちは。

ケイです。青春謳華、いろんな意味で終盤に向かっております。

別、小説「君と僕の生きる道」を連載開始しました。12話の短い話ですが、青春の合間に書いた前編シリアスの恋愛物(?)です。良かったらご覧下さい。

まだまだ、バイトが忙しく、書けたり書けなかったりと不安定な日々を過ごしております。

どうか、温かい目で見守ってやってください。

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