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青春謳華  作者: 桂木 景
34/50

kiss

「ようちゃん!期末前だよ?寝てて大丈夫なの?」

ん〜?もう、放課後か。

「えぇえええええええええええええええええええええ!!!!」

「キャッ!」

朝から一回も起きずに寝ていた(いつものこと…)俺は期末という言葉に反応せざる終えなかった。

「わりぃ…。残された日?」

「あと2日だよ。」

2日…無理だ。終わった、留年確定。はい、死亡…。

「そんな人生終わりましたって顔しなくても…。」

「いや、俺の人生はいまここで終わった。」

「私が勉強教えてあげるから。」

「マジ?」

「うん。マジw」

学年1位の才女だ!助かったぁああ!!神様、ありがとう!!

「それじゃ、今からさっそく…。」

もぞもぞと分厚い鞄から数学を取り出す。フッ…数学なんぞ「俺のターン!!」。

「毎日寝てるから全然知らないよね。んじゃまず…。」

如月、なかなか教え方が上手いな。ふむふむ、よーく分かるぞ。

「…それで、ここにこの解を代入すると…。」

おー!出来た。スゲェ、って胸当たってるし…。(///▽///)

「ちょ、如月…。胸…。」

「あ、ごめん。」

如月ってなかなか…って、オイ俺はこんなキャラじゃないんだからな!!それに如月も顔赤くして下向くな!!

「なんか青春してますねぇ。」

ドアにいつの間にか山口がもたれかかっていた。

「いつから見てたんだよ。」

「胸の辺りからかな?」

如月の奴、ますます顔を赤くして下を向く。

「一応、彼氏・彼女の関係なんだからそういうのもアリなんじゃない?」

「お前なぁ…。」

「何よ〜。ずいぶん嬉しそうに鼻の下伸ばしちゃって。」

「う、うるせぇよ。で、何だよ?用があってきたんだろ?」

「あ、そうそう。齊藤君が呼んでたわよ。あのバカ寝てるはずだから起こして部室まで連れてきてくれって。」

「分かった。」

「行っちゃうの?もう少し青春してても私見なかったことにしてあげるわよ。」

「ほっとけ。」

俺は恥ずかしさと照れくささを隠すように強くあたった。

「つれないわねぇ。なら、早く行きましょう。」

「如月、そういうワケだからちょっと席外すわ。すぐ戻ってくるから、またよろしくな。」

まだ、赤い顔のままコクリと頷いた。


〜〜〜〜〜


30分後。ようやく隆史から解放された俺は、如月が待っているであろう教室に戻った。

「お待たせ〜。ってオイ。」

机に覆い被さるようにしてスヤスヤ寝ている如月がいた。ん〜、幼稚園の頃を思い出すな。確かあの時、如月の奴俺のケーキがおっきいってダダこねて交換してやったのにやっぱり戻してとか言ってウザかったんだよな。それで、ケンカしていつの間にか寝てやがって拍子抜けしたっけ。

昔っからちっとも変わってないんだな。

「おい、起きろよ。風邪ひくぜ。」

「ん〜ようちゃんオハヨ。お目覚めのチュー。」

それは不意打ちだった。いきなり、両手で顔を捕まれてそのまま…。

如月の唇は柔らかくて、甘い味がした。胸のドキドキが止まらない。

「エヘヘ。GET、GET!!」

無邪気に喜んでいる所を見ると本当に寝ぼけているみたいだ。正直こんな寝ぼけ方されると困るんだけどな。まぁ、無かった事にするか。

こんなんで期末、無事に切り抜けれるのかな?

まだ後ろでニヘニヘ笑ってる如月をほっといて沈む夕陽に問いかけてみた。

お世話かけました。

なんとか体調はもどったものの、これからバイトです。また遅くなりそうです。

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