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青春謳華  作者: 桂木 景
30/50

学園アイドル?

今朝はやけに通行人の視線を感じる。

寝癖がひどいのか?髪を触ってみるが特に異常はない。それとも顔に?!ケイタイを使って顔を確認する。これも普段通り、異常なし。も、もしかして窓空いてたり????!!!急いで公園のトイレに入って確認するがこれも異常なし。

一体なんだって言うんだ!!朝っぱらからイライラして、今日は最悪の一日になりそうだ。

学校に近付くにつれ、だんだんと視線が強くなる。そして、校門の前には報道陣。どうやら、制服で学校関係者だと思われ視線を送られたという結論に辿り着いた。

報道陣に気付かれないように校門を潜ろうとしたら、一人の女性リポーターに捕まってしまった。

「あなた、小谷君ね?昨日の予選はどうだった?」

はい?!なんであんたが予選のこと知ってるんだ?

「すいません、学校が始まるんで失礼します。」

しつこくネチネチと質問を投げかけてくるリポーターを無視して、教室に向かった。

「隆史!どういう事なんだ?」

教室に入るなり隆史に詰問する。

「お前新聞見てないの?一面トップだったんだぜ。」

「はぁ?」

「昨日の予選で高校生とは思えない程の腕前とかでかなり大げさに書き上げられてた。」

「はぁ〜。なんでこうなるんだよ。」

「しばらくはマスコミから追っかけられるだろうな。俺も朝、校門でしつこく付きまとわれたし。俺らよりも、遠坂の方が大変だと思うけどな。一応トップアイドルだし。」

そうかぁ…。遠坂にも魔の手が伸びるのか。

噂をすればって奴、ヨレヨレの遠坂が教室に入ってきた。

「お、おはよ〜。」

「お、おう。大丈夫だったか?」

「もう無理。死んじゃう。」

そう言うなり遠坂は俺の机に抱きつくように倒れ込んだ。

「小谷君の臭いがする〜。」

壊れた?!

「お前ってそういうキャラだっけ?」

隆史が驚愕の眼差しを向ける。クラスの男子陣も俺を睨み付けてくる。

「どけって。邪魔、邪魔。」

俺は邪険に遠坂を引きはがし、彼女の本来の場所へ強制送還する。ったく、やってらんねぇよ。

「ホームルーム始めるぞ。」

久しぶりの篠山が入ってくるなり、ニタニタ笑い出した。キモイ。キモすぎる…。吐き気がしてきた…。

「みんなも知ってるとおり、我が学園のアイドル遠坂さんとその取り巻きの活躍によって…」

ちょい待て、俺らは取り巻きかよ?!

「…よって我が校の知名度は急上昇すると共にニュースでも報道されるほどだ。マスコミも黙っちゃいないだろうから、クラス一丸となって遠坂さんを守るように。それと取り巻きから情報が漏れないように、取り巻きも気にとめておいてやってくれ。」

コイツ…。あぁ〜イライラする!!(怒

「今朝はこんなもんだ。授業の準備しておとなしくしてるように。」

言いたい放題言って、篠山の奴は教室を出て行った。

「小谷君、ギター上手いって噂だったんだけどそんなに凄いんだ。聴かせてよ。」

う…、俺を包囲するな女子達よ。隆史がいるだろう!!!(←絶叫

「今、ギター持ってないから。」

「そっか…、じゃあ今日部室覗きに行ってもイイ?」

上目遣いで言うなぁああああ!!!!

「今日は昨日のことがあるから早く帰ろうと思ってるんだけど。」

「じゃ、私たちと一緒に帰ろうよ!」

先ほどまでとは違う女子が親しげに声を掛けてくる。

もう…やめて…(涙

「そんな気分じゃないし…。」

「もしかして、彼女と?」

「俺はフリーだけど。」

「んじゃ、決定!校門で待ってるね。」

勝手に決めないで…。お願い…。

俺が心の内で号泣していたら1時間目の授業が始まった。集中できねぇよ。

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