カラオケ
日曜日。カラオケ当日。
「チース。」
「遅いぞ、陽介!」
「齊藤くん、オハヨ。」
「西城さん、おはよう。」
なんなんだアイツのあの変わり様は。
「如月おはよ〜。」
「ようちゃん、オハヨ。西城さんもおはよう。」
「如月さん、西城さんじゃなくて明日香でいいよ〜。他人行儀じゃん。」
「え?!でも…。」
「西城がそう言ってるんだから、それでいいんじゃないか?」
俺は援軍を出す。
「陽介もいうまでも西城とか言わない!ちゃんと明日香って呼んでよね。」
「いや…その…。」
如月の普段の気持ちがよ〜く分かるぜ…。
「まぁまぁ、立ち話もなんだからさっさと入ろうぜ。」
こういう時は隆史の奴、役に立つな。
「そうだね。今日はイッパイ歌っちゃおう!!」
「如月、行くか。」
「うん。」
俺たちは部屋に入った。予め隆史の奴が予約してたみたいで広くてイイ。
「さてと、ピザとポテトと…。西城さん何飲む?」
隆史の奴、妙に手慣れてやがる。さっさとオーダー出しちまった。
「そうだねぇ…。紅茶☆」
「りょーかーい。如月は?」
「オレンジジュースで。」
「はーい。…注文もしたことだし、歌いますか。」
「ちょっと待てぇえ!!俺のはどうした??」
「え?あ、なんだ。いたのか。初めからそう言えよ。」
隆史の奴、完全に調子のってやがる…(怒)
「アハハ。二人っていつもそんな調子なの?漫才みたいじゃん。」
「齊藤くん、今日はやけにテンション高いね。」
「そうか?で、陽介はコーラだろ。もう頼んでるって。」
チッ。点数稼ぎしやがって。
「じゃぁ、初めは西城さんから〜。」
「ん〜じゃぁ…ねぇ…。」
西城が選んだのはキューティーハニーだ。んじゃ、俺もアニソン路線で突っ切ることにするか。
俺たちは散々アニソンで盛り上がって、結局夕方まで歌い通しだった。
「明日香さん、もう歌えません…。」
「何いってんの?これからだよ。って陽介まで倒れてるし。」
テンション上げすぎた反動だろうか。西城の異常にまで上がったテンションに付いていけず、ダウンしてしまった。
「西城…もう無理…。喉痛いわ。」
「しょうがないな…。最後に一曲だけ。ね?」
「一曲だけだからな…。」
西城のいたいけな瞳に勝つことが出来ず、俺は気力を振り絞って歌うことに。
「じゃ、チェリーね。」
西城と最後に歌ったチェリー。喉がつぶれてしまって声が満足に出せなかったけど、最高のデュエットだった。