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青春謳華  作者: 桂木 景
27/50

予選・挑戦状

ついに予選の日、正直言って真面目にやるきはない。適当にサラっと流して予選落ち。これが俺が描いた理想の形だ。

が、俺と隆史以外の奴はやけに燃えてやがる。必勝ハチマキまでしてるし…。

「ようちゃん、今日はなんとしてもトップで勝たなくちゃならないのよ。」

え…天然キャラの如月さんですか?

「小谷君。いくつか予備のギター持ってきてるから存分にいっちゃって!!」

そうそう壊れないと思うんですが…。

「小谷君。私に赤っ恥をかかせないでよ。かかせたら結婚して貰うからね。」

あなたが一番しっかりしないといけないんでしょうが…。でも、結婚はヤダな。

「はいはい、全力でやらせていただきます。」

「「「ハイは一回!!」」」

「はい。」

うひゃぁ〜こえぇ〜。

「今日はビッグゲストも来てるから、頑張ろうぜ。」

隆史の奴、一体誰を呼んだんだ。

「誰だ?」

「秘密。」

コ・コノヤロウ…(怒

「そこ!リハやるわよ。」

如月さん怖いです。ハイ。

「一回で全部決まるのよ。それに待機室は2組前からじゃないと使えないからね。」

「だからって、こんな朝っぱらから…。」

大会は9時、今は7時orz

「実質1時間30分よ。無駄にしたら承知しないからね。」


俺たちは有無を言わせて貰えずに練習させられた。本番前に演奏させるって鬼…。

1時間45分後。俺たち(男子陣)はヘトヘトになっていた。

「この位で疲れてどうするの?」

ひぇ〜、それ以上いじめないで。ママン…

「取りあえず受付を済ませましょう。」

山口が率先して行く。さすがにアシスタントだけあってこういうときに頼りになる。

開場は厚生年金会館。遠坂と西城の思い出がある場所だ。すでにほとんどの受付が終わっており、名簿には名一杯の○印がついてあった。

「泉ヶ丘高校の方ですね。89番になります。」

受付の姉さんから番号札を貰い、空いている席に腰を下ろした。

「陽介、緊張してるのか?」

「は?なんで?」

「妙に口数が少ないぞ、お前。」

「いや、こんな面倒なことになるなんてな。」

なんて他愛もないことを隆史としゃべっていたら、いつの間にか男子どもに囲まれていた。

「もしかして、遠坂エミさんですか?」

あ〜、遠坂のファンか。納得。

「そうですけど…、なにか?」

いやいや、どう見たってこいつら下心見え見えだろ。なに知らないフリしてんだ。

「俺たち、遠坂さんのファンで、その…サイン頂けますか?」

「俺は一緒に写真取って下さい。」

「握手して下さい〜。」

あ〜も〜わらわらと(怒

俺はこういうのが大っ嫌いだから、男どもの包囲網をくぐり抜けてロビーに行くことにした。気持ちを落ち着けるために自販機缶コーヒーを買おうとしたら、また変なのがコッチに近づいてきた。

「君って確か遠坂と一緒にいたよね。」

いかにも不良ですっていってるような姿をしてる男。ケンカ弱そう…。

「そうだけど。」

「君たち泉ヶ丘高校って毎年この大会出ても下の方でしょ?だから遠坂雇ったの?」

なんなんだコイツは?

「アイツが勝手に入ってきただけ。そんな仕事だしても、アイツ来ないでしょ?」

「でも、中途半端に転校したって聞くよ。あ、校長が勝手に雇ったのか…。そっかそっか、ごめんね。気付かなくってさ。」

「あんた名前は?」

「あぁ、富竹とみたけ 裕太ゆうや。よろしくね。」

満面の笑みで握手を求めてきやがる。コイツそんなに殺して欲しいのか…

「僕を殴りたいって顔してるね。でも、今ココで問題を起こすのはまずいんじゃないかな?」

コ・コイツ…。いつか必ず殺してやる。

「泉ヶ丘に遠坂がいても、所詮伴奏が伴奏だからね。僕ら名城の敵じゃないね。おっと、時間だから行くよ。」

不良スタイルに身を包んだ富竹はその場をさっていった。

アイツ…名城とかいったな。フフフ、おもしろい。完膚無きままに討ち滅ぼしてやる。フフフフ、ハーッハッハッハ。

俺は、名城の富竹のバンドを打ち倒すと決心した。

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