猛練習
すいません。かなり短いです。
それから三日間というもの、俺たちは放課後をフルに使って練習をした。
ボーカル・エレキ・ドラムっていうなんだか味気ないバンドだけど、それをカバー出来るだけの歌唱力と演奏力を備わっているから、まずまず予選落ちはないだろう。
いざ、明日って言われてもなんだかやる気が出ない俺。
「また休んでる!明日だよ。」
「も〜ちょっと〜。ってか面倒くさい、山口、口うるさい。」
「学校中の期待がかかってるって言うのにどうして小谷くんはやる気がないのかな!」
ウヘ。ホント口うるさいわ。たまったもんじゃない。こうなったらコッソリと帰ってやろう。
「ようちゃん今、コッソリと帰ってやるって思ったでしょ。」
う…、鋭い、さすが如月。
「イヤ、ソンナコトアリマセンヨ。」
久々の棒読み。俺ってこんなキャラだっけ?
「ちゃんと練習しないと…。お持ち帰りさせないよ…。」
って何あんた爆弾発言してるんだ!!仮にもトップアイドルだろうが。
「隆史、変なこと吹き込むな。」
「なんで分かったの?」
「お前ぐらいしか吹き込むような奴、いないだろ。」
「あ、確かに!」
なに納得してんだよ。ほんっっと疲れる…。
「ダラダラしてないで、ほら。」
なんだかなぁ〜。如月の奴最近俺に世話焼きすぎてないか?
「しんどい〜〜。」
「まだ5月じゃん。ようちゃんが本気で倒れるのは8月辺りでしょ?」
「小谷君って夏に弱いの?」
「うん。熱かったりすると干物にになっちゃう。」
「可愛い♪」
遠坂…、可愛くないし。本人は生死の境を彷徨ってるんだぞ。
「ちゃんと練習したらアイス買ってあげるから。」
「アイスなんてガキじゃあるまいし…。」
「だって、ようちゃん、小学校の頃…。」
「はいはいはいはいはい。小学校の頃のくだらない思い出なんて放っておいてさっさと練習しようぜ!予選明日なんだろ?おい、隆史何寝てんだよ。起きろ、練習するぞ。遠坂もジュース飲んでないで、さっさとマイクの前に立つ。山口、ボーっとしてないで機器のメンテしろよ。如月は評価任せた!!」
ふぅ〜危ない、危ない。やっぱ如月は恐ろしい…。
みんなはなにやらクスクス笑ってスタンバイし始めた。
いくら5月だからといっても今年は熱い、日差しがきつい。
「じゃぁ、最初から1.2.3〜」
その後、中杉が来るまで練習を続けた。