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青春謳華  作者: 桂木 景
23/50

バンド名決定

遠坂とのわだかまりも無くなり、俺は初々しい気分で作詞に取りかかった。

今日は何かと思いつく。といっても俺の両隣を独占する遠坂と如月のお陰なのだけど…。密着しすぎ(;^_^)

「今思ったのですけど、このバンドの名前聞いて無くて…。」

「え…名前…名前…名前ねぇ。おい、隆史!このバンド名ってなんだっけ?」

「あ?そりゃ…その…アレに決まってんじゃねぇか!」

「アレって?」

「……。」

「……。」

「もしかして決まってないのじゃ…。」

そうです、その通りです。活動するとは思ってなかったので決めていませんでした。どうしましょ〜、どうしましょ〜♪

「じゃ、今から決めようよ。私、山口さん呼んでくるね。」

如月は慌ただしく教室を出て行った。

「そうだな…。バンド名って言われても…、歌詞もロクに思いつかない阿呆2匹に言われてもなぁ。」

「阿呆はお前一人で充分だ!!」

っち、俺まで阿呆扱いしやがる。

俺たちのやりとりを見ておもしろかったのか、遠坂は笑い転げている。

「お前も笑いすぎだ!!」

「だって…あはは…ダメ…もう…ヒーヒー」

だから笑いすぎだって。

「お待たせ〜。」

如月は整備中だったと思われる山口の手を引っ張って来た。山口の手には工具が握られている。

「何よ?いきなり。」

「エヘヘ。これからようちゃん達のバンド名を決めるから山口さんも呼んできたのだ。」

「はぁ?なんであたしが…。」

「だって山口さんようちゃん達の専属アシスタントなのでしょ?立派なメンバーじゃん。」

「まぁ、そうだけどさ…。小谷くんとかあたしがメンバーだって認めてくれているワケじゃないのだよ。」

「えぇ…。そうなのようちゃん?」

う…、そんなに目をキラキラさせてコッチみるんじゃねぇ…。俺はその攻撃に弱いのだ。

「隆史〜。」

「え…イヤ…その…。陽介、お前が決めろ。」

「え〜…。如月が言うならそうなのだろ…。」

負けた…。

「ほらね。私は作詞して、遠坂さんが歌うの。」

「ってオイ。遠坂は認めてねぇぞ。」

「ダメ?」

またあの瞳キラキラ攻撃…。負けんぞ!!俺は負けんぞぉお!!

「ダ…メ…。」

「えぇ?!」

遠坂まで……。うぅ苦しい…。男として…。

「その通りです…。」

負けた…。

「ほらね。ようちゃん話せば分かってくれるのだよ。」

俺が唯一弱いのが如月ってことがバレてしまった。遠坂と山口の邪悪な笑みが俺には見える…。

怖い…。

「アリスなんかどう?」

山口の提案。

「却下。どこぞのギター二人組のバンド名とマネする奴がいるのだよ。しかも、時代古いし。却下、却下〜。」

ブーたれる前に完全否定しておく。

「え〜、せっかく考えたのに…。齊藤君はどう思う?」

「ん?陽介に任せる。」

んな!無責任な!!

「じゃぁ、サタン!!」

「悪魔かい!!」

ガラにもなく思わず突っ込んでしまった俺。なにはしゃいでんだ。見苦しいぞ。

「アハハ。突っ込まれたw」

如月さんの無邪気な笑顔は無敵です…。

「遠坂はなんかアイデアないの?一応、ボーカルだんだし…。」

「ん〜…。今度の新曲でボツになったタイトルなのだけど…EDENってどうかな?」

「EDENかぁ…。」

俺は少し言葉の響きが良かったので候補にしておくことにした。

「EDENってたしか永遠の楽園って意味だったよね。」

無責任な隆史が唐突に横やりをさす。

「齊藤君よく知っているね。」

うわw如月の笑顔で照れて屋がる。


その後さんざん話し合った結果、バンド名は遠坂の「EDEN」に決まった。

「それともう一つ…。小谷君のメルアド教えて!!」

ははぁ〜、これが目的で今日遅くまで残ったのだな。

「ヤダ。」

「いいよ♪赤外線でどうぞ。」

ってオイオイオイオイオイ!!如月なに勝手に俺のメルアド教えてんだよ。

「待て待て待て待て!!人のメルアドを勝手に教えてもイイって習ったか?」

「ほえ?もう、送ちゃったよ。」

「次あたし〜。」

「はいは〜い♪」

は〜言っているしりから…。疲れる…。

「後で隆史のメルアドも一斉送信しとくからな。」

「え、ちょっとそれはひどいのじゃ…。」

「問答無用!!」

俺はさっそく遠坂と山口の返信に隆史のメルアドを載っけて送信した。


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