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青春謳華  作者: 桂木 景
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合コン計画

少し長い目になります。

すいません。

俺と西城が付き合っているという噂(?)はあっという間に広まった。クラスの連中はその話でもちきりだ。男子数名西城の落とし方を聞きに来た奴がきたが軽くあしらっておいた。

「陽介、なかなかやるな。俺は西城に興味は無かったけど、まさかお前とは…。油断も隙もねぇ男だぜ。」

「うるせぇよ。お前の方は大丈夫なのかよ。」

如月きさらぎか?日曜、みんなでカラオケ行くことになってるんだけど、そこで近付こうって計画。」

隆史が狙っているのは如月 早紀さき。小説家になるのが夢らしくて、いつも教室の端っこでノートにいろいろ書いている。眼鏡をかけていて男子どもは気付いてないんだろうけど(ていうか、影薄い…)かなりの美貌の持ち主。西城には負けるがな。ちなみに俺と如月は小学校からのダチ。

「アホらし。如月がそんなので出てくるわけないだろ。」

「それがさぁ、陽介も行くって言ったらOKしてくれたんだ。」

「ほぅ。良かったじゃんか…。ってオイ!いつ俺が行くって言ったんだよ。勝手に決めんなよ。」

「まぁ、いいじゃんか。西城も連れてこいよ。」

「俺は西城と二人だけで楽しみたいんだ。何が悲しくて合コンなんぞに付き合わなくちゃならんのだ!!」

「じゃ、如月にお前から行かないってこと伝えてくれよ。そういう事言うの苦手なんだよ。」

「分かった。」

俺は隆史に思いっきり殺気を送りながら如月の席まで向かった。

「如月、ちょっといいか?」

「何?」

「日曜のカラオケの件なんだけどさ…。」

「あぁ!ようちゃんも行くんでしょ?久しぶりだからなんだか楽しみで。」

うつむき加減に頬を赤く染める。なんだか、言いにくい雰囲気だぜ。

「隆史が俺も行くって言ったらしいけどさ。俺、別の用事があって無理なんだよ。さっき、隆史に言われたばかりでさ。」

「そうなんだ…。ようちゃん行かないなら私もやめとこうかな…。」

声がか細くなって行く。一体どうしたらいいんだ、俺!

「隆史とかもいるから楽しめると思うけど。」

「あんまり知らないし…。」

だんだん惨めに思えてきたよ。そうだよな。如月、俺と一緒じゃないと何にも出来ないんだったよな。

「分かった、分かった。なんとか都合つけて行けるようにするよ。だからそんな顔するなよ。」

「え!?いいよ。そんなつもりで言ったんじゃないし。ようちゃん、西城さんとの用事でしょ?」

「まぁ、そうなんだけどさ…。西城にも相談してみて行くようにするよ。」

「え…でも…。」

「うだうだ言うな。俺も行くんだからいいだろ。」

「うん。そうだね。ありがとう。」

満面の笑みで返してくる。眼鏡を取ったらかわいいんだけどなぁ…。って何いってんだ俺!

自分の席に帰ってくるとニタニタ笑っている隆史がいた。

「お前も来るんだろ?」

「場所ドコだ?」

「駅前のジャンカラ。」

「何時?」

「朝の9時。」

「は?!9時だ??早すぎねぇのか?」

「普通だろ。一日中歌いまくるぜ。」

「金無いんだけど…。」

「歌い放題300円チケット持ってるから大丈夫。」

「で、メンバーは?」

「俺とお前、西城と如月。」

「おま…。初めから俺が来ることになってたんだな。」

「なんたってようちゃんは如月に弱いからな。」

「その呼び方するなぁああ!!(怒」

まぁ、屋上で会うことになってるからその時にでも言おう。


つまらん授業を聞き流し、待ちに待った昼休み。西城の待つ屋上へ走る。

勢いよくドアを開けるとそこは…

弁当を喰うカップルだらけだったorz

俺と西城の二人きりの時間になるはずが…。そんなことよりもこの空気は正直、居たたまれない。ドアを閉めて待機することにしよう。

「ごめーん。体育だったから遅れちゃった。」

チョロッとベロを出して謝る姿に免じて許すことにしようか。俺って本当に弱いな(泣


「早速で悪いんだけどさ…。」

西城が作ってきてくれた弁当を口に放り込んだ俺は口火切った!!

「ん?」

西城も自分で作った弁当を口に運んで固まる。

『マズ…。』

始めて二人の気持ちが一緒になった瞬間だった。メッチャ弁当不味かったけど。

「やっぱ味噌入れたのが失敗だったのかな…?」

いやいや、味噌なんか混入してたんですか…。不味い理由は西城流のアレンジにあったわけだ。って、カラオケのこときちんと言わないと。

「それよりも、今度の日曜なんだけどさ。斉藤とかとカラオケ行かない?」

「え?本当!?すっごく歌、歌いたかったんだ!!行こう、行こう!!」

なんだ、心配するほどのことじゃなかったんだ。

「それじゃ…。」

俺たちは周りの奴らが手と手を取り合ってキスしだすまで、歌手について語り合った。


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