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青春謳華  作者: 桂木 景
19/50

如月の休日

2000ヒット特別編

ふあ〜。眠い。もう少し寝かせてよぉ〜。

携帯の着信音で私は起こされてしまった。誰だか知らないが絶対に怒ってやる!

「よ…ようちゃん?!」

今までの不機嫌さが一気に消し飛んでしまった。ようちゃんのことなんだから起こしてくれたのだろう。

『は、はい。』

『よぉ!起こしちまったか?』

『全然。朝食べてきた所だよ。』

『嘘付くなって。寝声だってバレバレ。』

さ、流石ようちゃん。だてに幼馴染みやってないな…。

『えへへ。』

『えへへじゃねぇよ。眠いんだろ?切ろうか?』

『そ、そんなことないよ。もう、起きる時間だし。』

『そうか。頼んでる歌詞のことなんだけどさ…』


それから20分あまりようちゃんと歌詞のことでお話できた。今日はイイ休日になりそうw

「早紀?起きてるの?」

下からお母さんが尋ねる。内のお母さんってとっても料理上手だから3食のご飯が楽しみで。エヘヘ

「起きたよ。今から降りるね。」

私は素早く着替えを済ませて、リビングへ降りた。

「雑誌来てるわよ。」

小説家を目指す人なら必ず読んでいるという、雑誌「新人」。先月ここに応募したからちょっと楽しみで。

「早く食べてしまいなさいね。」

「わかった。」

ロールパンを口にくわえてモゴモゴしながらパラパラ雑誌をめくると、入選者一覧に辿り着く。

え〜っと…朋美…朋美…。そう、私のペンネームは朋美。応募では本名を出しているけど、入選発表はペンネームなのだ。

残念、入選には無かった。どうせ、他のところで入選しているはずもないので閉じて、食事に専念する。


ルルルル…


電話が鳴った。お母さんは用事で出ているらしく仕方なしに私が取る。

『はい。』

『こちら、○×出版の新人を担当している天野と申しますが。』

『はぁ…。』

『如月 早紀さんはいらっしゃいますか?』

『私ですが、何か?』

『ご存じだと思いますが、大賞に入選されましたので掲載させて頂きたく、承諾のご確認の電話を差し上げたのですが…。』

『え?大賞?私が?』

『はい。まだご覧になられてませんでしたか?』

『ちょ、ちょっと待って下さい。』

慌ただしく「新人」をめくった。大賞…大賞…!!!

確かに、大賞:朋美 となっている!

夢のようで、夢のようでどうしたらいいのか分からずしばらく唖然としてしまった。

『す、すいません…。驚いたのもですからつい…。』

『いえいえ、構いませんよ。では、ご承諾頂けますか?』

『はい。粗雑で申し訳ございませんが、よろしくお願いします。』

『ありがとうございます。これからも執筆・投稿よろしくお願いします。』

嬉しさで、嬉しさで、もうどうしようもなくなっていた。

もし、ようちゃんが電話で起こしてくれなかったら、今頃天野さんの電話に出れなかっただろう。


その夜私はようちゃんにたっぷりの愛情を込めてメール送った。

”ありがとう”

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