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青春謳華  作者: 桂木 景
11/50

結果発表

ついに合否通知が家に届いた。

俺は一抹の不安を抱きながらそっと封を切った。なにしろやけに薄かったから。


通知

小谷 陽介様


あなたは本校の入学試験において優秀な成績を修め、合格したことを通知致します。

期日までに本校窓口にて……(以下略



はい?え…。合格?紙切れ一枚しかないのに?あ、でも手続きしろって書いてあるな。やったぜぇえええ!!神様ありがとう!!菅原道真ありがとう!!

俺はニヤケ顔で登校した。好都合なことに今日が卒業式。内の学校やけに早いんだよな。

「陽介どうだった?え?俺か?ふ、愚問だな。もちろん合格だぜ。」

なに自演してんだよ。ホントお前といると疲れるわ。

「合格したよ。」

「え?マジ?本気でいってんの?お前が受かった?」

こ…こいつ…。殴り殺してやろうか……(怒

「ようちゃんお早う。通知届いてたよ、見た?」

「こいつ受かってたらしい。地震かなんか起こるかもな。」

そんなに俺が受かったことにどろいてやんのか。

「よかったじゃん!!私も受かってたよ。んじゃ、学校終わったら手続きしに行こう…。」

あ〜西城無事に敬愛受かってるかな?心配だな。敬愛以外受けてないしな。あんな必死な西城初めてみたよ。でも可愛かったな。

一人でデレデレしてたら、いつの間にか学校についていた。

周りをキョロキョロ見渡すと案の定、西城の周りには男子が群がっていた。見つけやすくて楽なんだけど、なんかな…。

「西城?ちょっといい?」

声を掛けた瞬間今まで温かかった周りの目が一瞬にして殺気を帯びた目に変わった。

「あ、陽介。今来たところ?」

「そうなんだけど…。ここじゃなんだから移動しない?」

う〜ん。周りの男子が気になって上手くいえないな。


典型的なパターン、体育館裏。

「西城、敬愛受かった?」

「受かったよ。これも陽介と初詣に行ったからだね。」

満面の笑みで言ってくれるけど、西城と離ればなれになっちまうなんて、俺にしたら大事件なんだけどな。

「俺も受かったよ。これも西城と初詣に行ったからだね。」

俺は自分の不安を表情に出さないようにめい一杯努力した。正直なところ結構ショックで、泣きそうだったんだけどな。なんか嫌な予感がして。

「卒業式始まっちゃうよ。教室に行かないと。」

西城は言い残すと走って言ってしまった。俺はどうしても追いかけることが出来なくて、胸が詰まって苦しくて。でも、別れるワケじゃないから泣けなくて。しばらくたたずんで気持ちの整理をしていたら教室にいくのが少し遅くなってしまった。


「ドコ行ってたんだよ。」

「ちょっとな。」

「ふ〜ん。俺には関係ないから別にいいや。」

そう、詮索しないところが隆史のイイ所なんだが…。

「ボーっとしてないでさっさと並べよ。正直邪魔だぜ。」

一言多い。いつか必ず葬り去ってやる!!(怒

「うっせー。」

俺は隆史に向かって出来る限りの殺気を送りながら、しぶしぶ並ぶことにした。

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