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青春謳華  作者: 桂木 景
10/50

回想

月日が経つのも早いものだ。

気がつげばもう2月。入試シーズン真っただ中。

俺は如月と隆史の3人で泉ヶ丘に受けに行った。俺はさほど成績が悪く無いのでなんとか全部書くことが出来た。あとは結果を待つのみ。

「簡単だったぜ。」

隆史はとってつけたような嫌みを俺に向かって言う。

「清陵いけよ、清陵。学年1位のお前がこんな学校受けるのがそもそもの間違いなんだよ。」

「親友と一緒じゃなきゃ、高校生活もエンジョイできないだろ?」

何が親友だ。如月のことが好きで如月と一緒の高校に行きたかったくせに。

「ホントのこと如月に行っても良いのか?」

嫌みを言う奴には弱みで反撃だ。我ながら良い作戦だと思う。

「ちょ……。それだけは勘弁して下さい。」

ふ。勝ったw

「さっきから何話してるの?」

校門付近で話し込んでいたから如月が来たことに全く気付かなかった。あぶねぇ、あぶねぇ。

「テストのことだ。」

とってつけたような笑顔で返す隆史。う〜む、さすがのこいつでも動揺したと見える。

「そっか。難しかったもんね。」

そんな笑顔でいわれましても…、正直私目にとっては難しかったです、ハイ。

「簡単、簡単。ま、ここにひとり頭抱えてる奴がいるけどな。」

そっと俺を見つめてくる隆史。ウヌヌ、許さん!!

「ようちゃん、大変だったんだ。てかさ、なんでここ選んだの?」

「俺が行ける高校じゃ、ここしか軽音部が無かったんだ。仕方なくここにしたってワケ。」

「そっかようちゃんギター引けるもんね。齊藤くんも確か、ドラムできたんじゃなかったっけ?」

「あぁ。俺と陽介は音楽で仲良くなったみたいなもんだからな。あの当時で俺のリズムについて来れたのはコイツ一人だけだったからな。」

「もういいって、早く帰ろうぜ。」

正直昔の話をされるのは恥ずかしい。それにいつまでも校門で立ち話って言うのもなんだしな。

「なぁ〜に恥ずかしがってんだよ、お前。話させたくないんだろうけど、歩きながらでも俺は話すからな。えっと、続きなんだけど、如月はコイツのギターテク知ってるよね?」

「知ってるよ、幼稚園からずぅ〜っと一緒だから。」

あぁ、そういう言い方するのはやめてくれ。隆史はお前のこと好きなんだぞ。でも、お前は俺のこと好きらしいし…。どうして周りの奴はこんなに悩ませるんだよ!!(怒

「そうだったね。で、俺はドラム昔からやってたんだけど、中学で吹奏楽に入って腕を立たせようとしたんどさ。周りの奴が下手すぎて、曲に俺のドラムが合わなかったんだ。で、結局は吹奏楽やめることになったんだけど…。それはさて置きやめてからちょっとしたら部員の奴が俺の所に来てさ、俺に合うギターを弾く奴がいるって言いに来たんだ。」

「それがようちゃんってワケだ。」

「大正解。それで早速コイツの教室に行って聞かせてもらったんだけど、正直驚いたね。この年でこれだけの腕を持つ奴がいるのかって。で、そのあとセッションしてみたら今度は俺の方が置いて行かれてね。家に帰って必至で練習して今では同じレベルでセッション出来るようになったけど。あのころが一番楽しかったよな。」

なんでいきなり俺に振るんだよ(怒

「俺、軽音部に入るけどお前はどうするんだ?」

「お前と合うような奴はそうそういないだろ。仕方ないから俺も入ってやるよ。」

「二人とも結局は青春してるんだね。」

「そういえば如月って何部にはいるんだ?」

「作家志望だから文芸部じゃないのか?」

「ようちゃん大正解☆文芸部だよ。」

「そういえば如月の本見たこと無いな。お前は見たことあるか?」

「俺もないな。いつも書いてるけどあれってどうしてるんだ?」

「あれはね、私のホムペに掲載してるんだよ。」

「へぇ〜、アド教えて。」

おぉ、隆史。如月の作品読んで話題増やそうって魂胆だな!その調子で如月の気持ちを俺からお前に向けさせてくれ!!俺は応援してるからな!!!

「やだよぉ。恥ずかしいもん。」

「お前も何とか言ってくれよ。如月の本読めないじゃん。」

「本人が嫌がってるんだから仕方がないんじゃないか。」

「さてはお前アド知ってて教えないっていうんじゃないだろうな。」

「いや……ホントに読んだことも、サイトに行ったこともないし…。」

「え…。ようちゃんホント?」

しまったぁああああ!!感想聞かせてって言われてたんだぁあああ!!墓穴ほっちまった。

「何?しってんのか?教えろぉおおおおおお!!」

そのあと隆史の奴に首を絞められてあやふやになったが意識が薄れる前に悲しそうな顔をする如月が見えた。


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