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英雄気取りの三番目  作者: 工藤ミコト
第二部:第一章【語り部】
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2-0 第一部あらすじ


第一章【アルティス魔法学園】

 英雄が救った世界に生まれた一人の少年リュウ・ブライト。燃えるような赤色の髪と澄みきった青色の瞳を持つ少年。彼の夢は世界一の魔導師になることだが、そこには唯一にして最大の欠点があった。

 それは、魔法が苦手だということ。

 一番簡単であるはずの下級魔法を暴発させることが出来る才を持ち、さっそく夢は笑われた。

 王国一と言われる魔法学園に理由もわからず入学できたのもつかの間、さっそく魔法のテストが行われてしまう。幼馴染みで親友のティナ・ローズとアル・グリフィンが協力はしてくれたものの、結果は無惨にも失敗。しかし、そのテストは教師シエラが意図する別の課題があった。それに合格したリュウは退学を免れ、無事学園生活の一歩を踏み出すのだった。


第二章【ゴールデンパインウィーク】

 入学してから数週間。学園生活もようやく落ち着いてきたころ、遂に世間はゴールデンパインウィークに突入する。リュウの部屋に押し掛けてきたティナとアルはそのままティナの策略によって買い物の荷物持ちを押し付けられそうになる。どうにか逃げ出したアルとは対称的に、散々な目にあうリュウ。

 不思議な店『マジックショップ』での買い物も済ましたところで、道角から叫び声が聞こえてきた。そこにいたのはクラスメートのマリー・レイジーだった。街に巣食うチンピラ共に連れ去られそうになっていたところをリュウ達は間一髪のところで助ける。しかし隙を突かれ攻撃を受けてしまう。

 そこに現れたのは、王国魔導軍隊【アルテミス】の軍人ロイ・ファルジオンとゾット・ミッドだった。たった二人の軍人に事件は解決され、リュウ達はそのまま【アルテミス】本部へと向かった。

 そこでリュウは『本当の強さ』というものの存在を知る。彼が探す『本当の強さ』はこの時より示されたのだった。


第三章【新入生クエスト】

 イデア王立アルティス魔法学園恒例の新入生クエストが始まった。リュウ達は新たに加えたメンバー、イクト・ソーマと共に辺境のトルク村へと向かった。

 魔物がはびこるこの村には、壮絶な真実が隠されていた。リュウ達にとって初めての遠征授業は思いもよらぬ結末へと向かっていく。


第四章【魔闘祭】

 新入生クエストを無事に乗りきった彼らに待ち受けていたのは学園一といっても過言ではない最大の祭り『魔闘祭』。年に一度のそれは学年の中のトップを決める大会。シエラの私怨や学園長の言葉に惑わされながら見事メンバー入りしたリュウは、優勝を目指して特訓を始める。無事特訓をやり遂げていざ本番に望んだリュウ達だったが、なんとリュウは一戦もしないまま決勝にまで駒を進めてしまった。

 シエラの鋭い目付きに怯えながら、マリーを侮辱した二大貴族ベルナルド家次期当主エリックを殴りながら、手に入れた優勝の証。しかし、その直後対戦相手であったネリルの魔力が異様に跳ね上がり破壊活動を始めてしまう。

 それに対する戦力は、ネリルと同じように自我を失ったリュウだった。


第五章【使い魔召喚】

 魔闘祭の一件から少し経ち、いよいよ学園お約束授業の一つ「使い魔召喚」が始まった。ここら辺はぱぱっといきましょう。

 マリーとアルには現れず、イクトには富士に住まう大天狗『太郎坊』を、ティナは二体の妖精『スイ』と『ヒョウ』を召喚した。リュウは呼べそうな雰囲気だけで、現れたのは魔物の毛と思わしきもののみ。

 使い魔召喚の授業も一段落つき、リュウはシエラの誘いでネリルが治療を受ける病院にやって来た。教師という立場のシエラの話を聞き、強くなることを決意するのであった。


第六章【学園侵攻と英雄の謎】

 夏休み、海に出掛けエンジョイしたリュウ達に待っていたのは使い魔召喚の補習だった。本契約をしなければならず、その時でさえリュウは使い魔を呼ぶことは出来なかった。もはや使い魔が出ることを拒んでいるなと確信に迫ったとき、突如学園が轟いた。

 現れたのは謎の二人組。学園の教師を次々と殺害していき、彼らは目的を遂行するために破壊の限りを尽くした。外部との通信を遮断され、最終手段は緊急転送魔法陣。

 シエラと共に逃げるリュウ達の前には、リュウを「英雄」と呼ぶ彼らの姿が。逃げることも叶わず、ついにシエラが激怒した。『鉄の一族』自慢の怪力で二人組を圧倒したかにも思えたが、大きな深手を引きずったまま、リュウ達を逃がそうと奮闘する。

 リュウ達に最後の別れを告げて送り出すが、シエラは共に逃げ出さなかった。急いで助けに向かおうとしたリュウに食って掛かったアルは、今まで一度として見せなかった攻撃の意思を露にし、リュウを殴り飛ばす。

 弱さを突きつけられてもなお学園に戻ったリュウの前には変わり果てたシエラの姿があった。己の無力さを痛感し生を諦めた時、救いの手が差しのべられた。

 やって来た学園長であり元帥でもあるクロツグとゾットの善戦によって、【メガイラ】と名乗った彼らを返り討ちにすることに成功する。しかし、ヨンと名乗った少女を逃がし、さらにネリルまで殺害されたということを聞かされ、リュウは治療を受けることなく部屋に閉じ籠ってしまった。


第七章【時の支配者】

 長く暗い夏休みが明けても、リュウに救いは訪れない。担任は変わるが、新担任フェルマはシエラに対して暴言を吐く。リュウを殴り飛ばした一件から親友のアルと口も聞かぬまま、己の無力感と恩師への侮辱を許せなかった彼は教室を飛び出した。

 ひょんなことで出会ったロイの誘いから【アルテミス】に向かうと、なんと四元帥の素顔を公開しリュウへの入隊を薦めた。しかし、リュウは友の力を受けてギルドに参加することを決めた。

 そこで出された初任務は新任教師の護衛。新たな教師候補の一人のもとへ向かう任務に合同する助っ人が紹介されるが、なんとその相手はフェルマだった。

 道中は最悪、新任教師の候補プリシラの上手い人使いによってリュウ達は研究の手伝いをすることに。

 そこで出会ったのは極限に人見知りをする少年アッシュだった。友達の狸と家族との唯一の繋がりである懐中時計を持った少年は、決してリュウに心を開かない。その姿に自分の過去を重ねたリュウは、一言友達になろうと手を差し出した。

 しかし、アッシュがその手を握り変えそうとした最中現れるドラゴン。額に付いた赤い石が怪しく光り、リュウ達を襲う。フェルマの助けに納得がいかぬまま、仕方なくの共闘戦線をしくことになる。アッシュの助けを借りるも虚しく、三人は絶体絶命のピンチに陥ってしまった。

 その窮地を救ったのは、リュウの使い魔だった。今まで一度として現れなかった銀狼『カルデア』は、英雄アルティスの使い魔でもあったのだ。ドラゴンを一瞬で消し炭にしたかと思えば、リュウとの契約の後すぐに消えてしまう。

 無事任務を終えて、アッシュの気持ちを知り、フェルマの想いを知ったリュウ達の前に現れるエリック。マリーに耳打ちをして深まる謎に、何も出来ずに物語は進んでいく。


第八章【レイジー】

 マリーがエリックに耳打ちをされたその日から数日、マリーは学園に来なくなってしまった。原因を探ろうにも、リュウとアルの間には溝がある。イクトもまた浮かない表情をする日が増えていた。

 ならばと原因を当事者エリックに聞くと、初恋の相手が死んだのだと、告げられる。意味がわからぬまま事態は悪化し、遂にマリーが休学してしまう。

 それぞれがそれぞれの溝を抱えたまま、マリーの行き先が彼女の実家レイジー邸宅であると気づく。リュウ達は追いかけるも、マリーは何者かに誘拐されていた。目撃情報からどうにかマリーを救い出すものの、誘拐を企てた黒幕がマリーの父ゼウンであると知る。

 泣かば強引にリュウ達はマリーの実家に殴り込み、当然のように地下牢に閉じ込められてしまう。マリーの幼少期に出会った友の死が不可解であることを知ったリュウは彼女の母ネイシェルにマリーを救うと約束する。

 そして、ゼウンを陥れマリーの友を殺した真犯人が暴挙に出るも、リュウとマリーの共闘により阻止。結果【バッドエンド】、『裏切り者』という謎が残された。

 戻ってきたマリーは幾度も自分を励ましてくれたイクトへの好意を伝える。しかし返事は冬の訪れにも似た冷たいものだった。


第九章【天才剣士と夜桜伝説】

 リュウとアル、イクトとマリーの仲に亀裂が生じているものの、季節は冬に突入していく。学園ではこの季節に東洋からの留学生を招くことになった。イクトの出身国から留学生の二人がやって来るが、イクトは浮かない表情のままだった。

 天才剣士と呼びイクトを慕う留学生ゴザロウはイクトに模擬戦を挑む。そこでイクトは、同じ留学生の一人であり東洋将軍の娘コトハにふりかかる事態の解決を頼まれてしまう。

 東洋でコトハを狙う組織が、自分の家族を惨殺した者達であると結論付けたイクトはコトハまでも利用し敵の正体を掴もうとした。

 助けるはずが助けられ、イクトの窮地を救ったリュウは来るはずのないアルの姿らしきものを見てしまう。『裏切り者』の言葉が頭から離れないまま、特訓していた新技を放とうとする。イクトの負けず嫌いに感化され、二人は敵を倒す。

 夜桜と刀に込められた想いをようやく知ったイクトは、家族を惨殺した【メガイラ】への復讐心が無駄なものだったと気づく。気づかせてくれたマリーには特別な感情を抱くのだった。


第十章【ナイトメアダンス】

 イクト達が倒した【メガイラ】のザコが吐いた次なる計画。水面下で滲み寄るような【メガイラ】の動きを掴むべく、リュウ達は彼らが潜入すると言うダンスパーティーに参加することにした。

 医療隊医療長テオレル・フレアと共に会場に訪れるなかで、リュウ達は次第に【メガイラ】へと通じるものを炙り出していく。疑惑と色恋が混ざるパーティーが騒ぎと共に過ぎていく。


第十一章【友として仲間として】

 リュウが抱くアルへの疑惑は日に日に増していくばかり。そんな中、リュウ達はイデア王国に並ぶ五大国ゼロス帝国への潜入任務を言い渡された。軍事的介入が許されないがゆえに学生という立場を使う潜入は、リュウ達にとって最大の危険となる。

 ティナ達にも明かす元帥の素顔が事の重大さを露にし、いよいよゼロスの地へと足を運んだ。

 危険な独裁国家の意外性を見抜きつつ、ようやく掴みかけた【メガイラ】アジトへの手がかり。しかしそこは【メガイラ】側の仕組んだ罠だった。

 リュウが最後まで信じていた想いとは裏腹に、アルには驚愕の真実が隠されていた。

 完成したリュウの必殺技、アルが抱く友への想い、そして明かされるリュウの正体。謎が謎を呼び、遂に物語は英雄の再誕へと向かっていく。


第十二章【英雄の再誕】

 リュウ達五人は悩んでいた。来る英雄祭に向けたクラスの出し物は演劇『英雄物語』。英雄祭が近付くなかで言い渡された任務は、【メガイラ】征伐任務だった。いままでの潜入とは違う命がけの任務を前に、リュウ達は悩む。そして命のやり取りへの覚悟を少年達なりに決めて、答えは出した。

 既にその頃ゼロスは【メガイラ】の手に落ち、リュウ達は力の差を思い知ってしまう。仲間とはぐれ、それでも立ち向かい、そして明かされる英雄の謎、魔法の謎、そしてリュウの謎。

 どれも受け入れられず崩れそうになるリュウを救ったのはティナだった。己を知ったリュウは一人の男としてようやく決断する。しかしその決断も虚しく、リュウの頭は漆黒の刀によって貫かれるのだった。

 

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