予告 【第二部】
「アハアハ、僕ちゃんは元帥だからねぇ」
クズが多く、なればこそそれが正しいと。
「僕は君の言葉に応えることができません」
侍は言う。己の歩みを止められぬが故に。
「この部屋はリュウの部屋なんだ!」
誰が為に泣く、その瞳は守りの瞳で。
「【アルテミス】も堕ちたものだな」
堕ちた貴族と、噛み合わぬ歯車。
「死んでいる人を生きていることにするなんて、あんまりだよ」
埋めようのない、空いた穴。
「みんなのアイドル、キャンディちゃんで~す」
揺れる猫耳、踊る少女。
「言うなれば、第二の英雄か……」
誰もが知る英雄譚の秘密。
「俺はフェルマ・クオルト。こいつらの先生だ」
立ち上がるのは意外な人物。
「ふざけた話ッスね。因果的なものかな」
隊長は座り込む。
「レイドバトル、そう言えば想像しやすいんじゃないかしら?」
訪れる勝負の刻に、欲しいものを見つけだす。
「イイねあんた、高く売れるよ」
出会いは、命と金が絡み付く中で。
「俺の名前はシン。さあ言え、【バッドエンド】の在処を」
闇は動き出す。
「剣を掲げろ魔を示せ! 掴む勝利を疑うな!」
その意思をぶつけるべく。
「未来を託されたのは君達じゃないのかい?」
動き出す人間国崩。
「姫は世界を救いたいかい?」
二十年の真実。軌跡は簡単に見えている。
この世界は数えきれない程の魔法で満ちている。この世界は魔法で形作られている。そんなくだらない魔法というものができることと言えば、目の前の石ころを拾うことくらい。
夢も希望も、儚く散る魔法のようにしか見えない。ちっぽけな力さえ、世界には止めどなく流れてしまう。
そして少年の言葉は、聞こえなくなった。
──だから。
止まっていた時間が動きだし、世界は破滅へと向かい出す。それは、再びという言葉を添えられて。あの頃の微笑みはもう消え失せた。届かないから、また笑いたいから、貴方の想いを探しにいく。
『俺は英雄を気取ってただけなんだ』
その言葉を思い出しても、『本当の強さ』はわからない。
──英雄気取りの三番目【第二部】2016,06公開──