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英雄気取りの三番目  作者: 工藤ミコト
プロローグ
1/301

0 1人と1匹

新暦0003年

「英雄物語(著:Crystal marine)」より

 

 昔々ある山奥に、1人の男の子アルティスと1匹の狼カルデアが、アルティスの両親と共に幸せそうに暮らしていました。


 アルティスとカルデアは幼い頃から仲が良く、1人と1匹はいつも仲良く暮らして。


 朝起きるときも、昼遊ぶときも、夜寝るときも。


 そんなアルティスとカルデアはある時、いつも遊んでいる山で「光る玉」を見つけました。


 アルティスはそのあまりにも綺麗な「光る玉」を両親にも見せてあげたいと思い、家に持って帰ることにしました。


 そして「光る玉」を持ち帰ったアルティスは、すぐにそれを両親へ見せに行きました。


 しかし、それを見た両親の顔はみるみるうちに真っ青になりました。


 その後すぐに、アルティスとカルデアを「光る玉」ごと遠くの山に捨ててしまいます。


 アルティスはなぜそうなったのかもわからずに、ただただ泣くことしか出来ませんでした。


 何日も……。何日も……。


 ついには涙も出なくなり、アルティスとカルデアは衰弱していきます。


 もう涙も出ない程弱りきったという時、1人の老婆が通りかかりました。


 まるで太陽のような、優しい笑顔で近づいてくる老婆です。


 そんなところで何をしているんだい?と老婆が訊くと、アルティスはかすれた声でわからないと答えました。


 老婆はそんな1人と1匹を見て放っておけなくなり、家に連れて帰ることにしました。


 アルティスとカルデアが老婆に助けてもらってから、しばらくの月日が経ちました。


 アルティスは老婆の手伝いをしながら、カルデアはその日の食べ物を探しながら、少しずつ老婆の家で元気になってきていきました。


 そして、ある夜のこと。


 アルティスとカルデアは老婆に、あの「光る玉」を見せることにしました。


 アルティスはずっと気になっていたのです。なぜ自分達がそれを見せただけで捨てられたのかを。


 アルティスとカルデアは決心し老婆に「光る玉」を見せると、やはり老婆も顔色が変わりました。


 しかし、それはアルティスの両親が見せたような冷たい顔ではなく、最初に出会ったときに見せてくれた太陽のような笑顔でした。


 そして老婆は言いました。それは英雄の魂よ、と。


 アルティスは訳が分からず老婆にそれはどんな物なのか聞き返しました。


 すると老婆はたちまち太陽のような笑顔になって続けました。



 貴方は世界を救う英雄になるの、と。


 

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