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アルケニアイル  作者: 犬助
一章 転移編
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7話 送還

「おかえり」

 その言葉でレンの意識は戻る。目の前にはクロノアが居た。

「死んだか……。今度こそ天国にでも送るか? 2度も死んだんだ。もう慈悲等与えられないだろ?」

 レンはクロノアに問いかける。

「君には元の世界に帰ってもらうよ。」

「……お前は、なんで俺を……生かす?」

「遊び足りないだろ? コンテニューってやつさ。」

 クロノアは口角をわずかにあげる。

「家族に会うんじゃないのかい? こんなところで諦めるのかい?」

「じゃあ、もうそのまま地球に戻してくれよ。」

 レンの声は、疲労でかすれていた。

「まあまあ、そう言わずに。」

 呼吸は浅く、視界は薄い。

「痛みも恐怖も……ない。俺は、死に慣れたのか? 俺はなぜ死ねない?」 

 クロノアは目を細めて冷酷に言った。

「死にたいのかい?」

「あぁ、もういい。疲れたよ。ただ、普通に生きたかった。」

 クロノアは冷たく問い返す。

「じゃあ、なぜあの時、逃げなかった?」

「……俺は、優秀だと思ってた。勉強もスポーツも……でも、一歩外に出れば、何もできなかった。」

 レンは拳を強く握りしめた。

 その言葉を聞いてクロノアは優しく微笑んだ。

「なら、やっぱりちゃんと生きるべきだ。自力で家族の元へ戻れ。」

 そう言いレンを転送した。

「次会った時は殺されるかもなぁ……。」

 黒い部屋に亀裂が走り、白い光が割り込む。

「限界だな……。」

 結界は破壊され、一人の女性が舞い降りてくる。

「見つけた! クロノア!!」

「あんたが来るなんてね……。あのじいさんも酷いことをするもんだ。私をどうするつもり?」

 ゆっくりとクロノアの前に舞い降りた女は目に涙を浮かべていた。

「戦うつもりはない。私はクロノアの味方だよ。だから天界に帰ろう?」

「バカね……。冤罪だとでも思ってるの? 私は罪人よ。あんただって殺せる。」

 女は涙を拭いクロノアに手をかざす。

「来て。」

「嫌だね。まだ死ぬときじゃない。」

「まだ言ってるの? ごめんね。『リヤン・デ・デュー』」

 女の魔法が光を放ち轟音を鳴らし放たれる。クロノアが放った光の刃は勢いを失い、空気が裂ける衝撃で床が震え、ひびが入る。

光の鎖がクロノアを捕らえ、彼女は身動きが取れなくなる。

「なんで本気出さないの? 捕まるのは嫌なんでしょ?」

「本気だよ。あんたが私を越して行ったんだ、こーさん。天界に戻るよ。」

 同時にクロノアの結界は完全消滅した。完全消滅した。

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