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アルケニアイル  作者: 犬助
二章 入学試験編
23/26

23話 レンの決めた道

 目を開けると、白い天井が視界に入った。

見覚えのある天井。

 ……保健室か。

 するとカーテンの奥から女性の声が聞こえてくる。

「あら?起きたの?

 体調はどうかしら?私の魔力はどう見える?」

 レンはゆっくりと体を起こし女性を見る。

「見えません。」

「そう。治ったのね、良かった。病気ってほどじゃないけどね。私たちはそれを『魔力異常感知症』って呼んでるの。

 簡単に言うと一時的に、魔力を感じすぎる状態ね。」

「でも、いいことじゃないわ。

 強い人の魔力を見ると、脳が処理できなくなるの。最悪、死ぬこともある。」

「クラス分けはもう始まってる。行けるなら行ってらっしゃい。」

 会場に向かう途中、

『どうか、世界に平和を……。』

 世界樹の言葉が頭から離れない。


 勇者とも魔王にも――

 俺はならねぇよ。

  

 試験会場に戻るとそこにはグアンが一人でいた。

「想像以上じゃ。あの世界は、この世界を模倣したものじゃ。そしてそこには、世界樹の意識も存在している。」

「お前は何千年、誰にも認められなかった世界樹に認められたんじゃ。流石、未来永劫最悪の魔王の器じゃな。」

 聞きたいことは山ほどあった。だが、レンの口から出たのは別の言葉だった。

「その話、やめてくれ。俺をそう呼ばないでくれ。」

 レンは視線を落とす。

「そうか……それがいい。すまなかったな。

 担任について行くといい。学園へようこそ。」

 グアンはそう言い、話を終わらせた。

 レンは後ろを向く。

「レンくんだね。はじめまして。

試験、見てたよ。首席合格おめでと。」

 狼耳を生やし目の細い、爽やかそうな男は言う。

 獣人か……。本当にいるんだな。

「ありがとうございます。」

 レンはそう返す。

 レンは担任に連れられ、クラスへ向かった。

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