17話 約束
レンはガリンから目を離さなかった。
ここだ!
レンはガリンの動きに合わせ、拳を突き上げる。
早っ。くそっ、顎狙ったのに、ズレた。なら。
レンの拳はガリンの腹部に直撃する。ガリンは思わず唾を吐く。
続けてレンは利き手で顔面にフックを入れた。
「リラ!」
レンは呼ぶ。
「分かった。」
彼女はガリンに近づき、大きく息を吸い込む。
しかし、ドリルのように尖った灰色の塊がリラへ向かう。
リラはそれに気づいていない。
それは猛スピードでリラを襲う。
「あっぶなっ!ごめん、リラ。俺が悪い。」
レンはリラを抱き上げ、その場を離れていた。
「早い……。身体操作の魔法?」
リラは尋ねる。
「魔法は使ってないよ。ごめん、少しサシでやらせてくれないか?」
レンは言う。
「駄目だ! タイマンで敵う相手じゃない。逃げよう。」
タクトはそう言った。
「冷静になったようだな。喧嘩ふっかけた時は肝を冷やしたぞ。大丈夫、時間を稼ぐだけだ。二人は逃げてくれ。絶対追いつくから。」
「駄目だ。こいつにだけは……。仲間をこれ以上は!!」
タクトは息を荒くしてレンを止める。
「話なら後で聞いてやる。リラ、タクトを連れて行け。」
「わかった。必ず帰ってきて。行こう、タクト。」
二人はすぐに森の中へ姿を消した。
「キミィ、やるねぇ。いいよ。彼らは見逃してあげる。かっこよかったもん。でも、君の命はちょーだい。」
「やれるならいいぜ。」
レンは顎の高さに手を構える。
ガリンは距離を詰め、近距離戦が始まる。
くそっ、戦い方を変えやがった。――体術も強い。そこに魔法の追撃……正直、きつい。
レンは踏み込む。
力で押し切る。
魔法は的確に避け
体術は、あえて受けた。
やばいっ。息が上がってきた。下がるか? いや、それは相手も同じ! 押し切る!!
すると、ガリンは距離を離す。
もらった。
レンは体をしならせ回転し、蹴りを出す。
ガリンは空中で魔法を発動し、足との間に太い板のように二重に塊を作り出す。だが、威力は落ちない。その蹴りは魔法を貫き、ガリンに直撃した。
ガリンは倒れていた。上から飛んでくる塊を、レンは見向きもせず避け、ガリンに近づく。
「強い……。つよいよお。ズルだよ、勝てないよ。」
「もう、俺たちに手出しはするな。それが約束できるなら俺はお前をこれ以上痛めつけない。」
「わかったよぉ、約束する。お前らには手を出さないよぉ。」




