10話 レゾルブ〈断志〉
戻ったのか……。魔法世界に。
レンは地球で過ごしていたことを思い出す。
死んだ……、家族が。俺が……いや、偶然なわけがない。これが、俺と神クロノアが選んだ結末だ。
「死んじゃった? やばっ、まじでやらかした。」
魔王海斗の声が頭に響く。
うるさい! 最悪だ……。俺が、家族を殺した! ……殺してやる。絶対に、殺してやるよ。
レンは唇を強く噛みしめる。
「クロノアァァ!!」
レンは咆哮のように叫ぶ。
「生きてんじゃん。それに、この圧……、レゾルブ〈断志〉か!?」
海斗は頬に汗を流し、剣を構えた。
「やっと俺の番か。おい、そこのお前。魔王っつったか? 俺なぁ、あんたが気に入らねぇ。だから、受けてけよ。」
レンの髪の色は白く変わっていた。
海斗は肝を冷やす。レンは海斗に向かって手をかざす。すると、空気の塊が周りの空気を取り込みながら海斗を襲った。
「なんだ? この程度なのか? じゃあ、次は俺の番だ!」
海斗は猛スピードでレンに向かってくるが、再びレンは海斗に手をかざす。
「見えてんのかよ。」
海斗は舌打ちをする。
感情が臨界を超えた瞬間――視界が暗転した。
黒い稲妻が鳴り響き、海の波が立つ。レンのその手の先には漆黒の世界が広がっていた。
「マジかよ……。」
レンは手を強く握りしめた。
――
世界は稲妻によって一瞬、照らされる。風も、温度も、音もない。空気ですら、そこには存在しなかった。
「おい。レン、聞こえているだろう? この女は救ってやったぞ? 今日はこの辺で勘弁してやる。あんまり感情的になるなよ?」
そう言い、アーサーをゆっくりと地面へ下ろし、目を閉じる。白く染まった髪の色はゆっくりと黒に戻る。それにつれてレンは意識が遠のいていった。が遠のいていった。




