詩集:歌ヲ吐ク 歌エドモ 作者: 歌川 詩季 掲載日:2025/08/04 読めても書けない漢字が多い。 魂のひび割れを埋めるように 融(と)けた言葉を流し入れる 蟻(アリ)の巣を沈める雨水みたいにしみわたっては それでもそのうち 乾いてゆくか 地獄以外を楽園と呼べるめでたさに こめかみが灼(や)き切れそうだ 歌エドモ 詠(ウタ)エドモ いくら 歌エドモ この心は 安穏(あんのん)を恫喝(どうかつ)が破(やぶ)るように 疵(きず)にすり込む塩を塗ろう 撫(な)でるてのひらさえ紙やすりにして擦(こす)りあげては それでもいつかは 瘡蓋(かさぶた)を貼(は)る 寡黙(かもく)以外を饒舌(じょうぜつ)と呼んだ賑(にぎ)わいに 奥歯ごとすり減っちまう 歌エドモ 謳(ウタ)エドモ いくら 歌エドモ この心に 漢字、書くほうはあんまり得意じゃないや。 制作:ひだまりのねこ先生