たにしの違和感
あの世界はなんだったんだ。
この世界とは似ても似つかない場所。
とりあえず、たにしに聞いてみるか。
たにしは、文武両道で容姿も良かったので、うちの学年では有名な人物だった。
そんな彼女と俺は、後方支援部という部活で知り合った。
この部は、うちの高校の代表的な部活で、他の部活へのマネージャーの派遣からアナライズまで、何でもやるが、モットーだ。
何でもやるからこそ部活は厳しく、仮入部が俺とたにしと齋藤となおさん、正式入部したのが、俺とたにしだった。
もう部活終わったかな。
部室を覗くと、たにしが1人でいた。
「なーにしてんの?」
「良からぬ気配がしたから、監視カメラ見てた」
「あれ、うちそうゆうのあったっけ?」
「部費で買って、フロアごとにつけといた」
「何してんだよ」
「学校の治安守るためには当たり前」
「たにしのせいで、荒れてる気がするわ」
「で、なんのよう?」
「あ、いや、もし平行世界に行ったとしたらどう思う?」
「は?」
いや、まあそういう反応だよな。
どういえば理解してくれるだろうか。
「あーそういうことか」
「ん?」
「空間が歪んだのがお前のせいだったんだってこと」
「いや、意味がわからん」
「お前が言い出したんでしょ」
「いい?監視カメラが空間の歪みを検知したから、今私がこうやって解析してるの」
「で、解析できなかった犯人がここにいるの」
「たにしって、空間の歪みわかるのか?」
「それに、驚きなんだが」
「天才なんで」
「てか、付き合い長いんだから知っとけや」
「言うて、今年2年目な」
「とりあえず、つくは次元が飛んだんだな」
理解されて嬉しいが、
たにしの理解力がもはや怖い。
てか、たにしって何者だ。
まあ何でもいいか。
「そんなとこかな」
「じゃあ、明日その案内して」
「え、まさか行くの?」
「うん」
えー。
もうあの世界怖くて行きたく無いんだが。
たにしも怖いけど。
「行くなら、齋藤となおさんも一緒な」
「暴走したたにしを俺は止められない」
「暴走しないし」
「ほんとかよ」
「じゃあ、明日よろしく」
「今日は帰る。さようなら」
「はい、さようなら」