プロローグ
いつもの道で登校し、いつもの席に座っていつもの友達と話す。
ああ、なんて平和な日々なんだ。
特殊能力は欲しいけど、戦いをしたくはない。
まあ平和な時に能力を持っても、宝の持ち腐れか。
「つくー、聞いてんのか?」
平和を実感していたら、誰かの話を聞いていなかったみたいだ。
「えぇと、何の話?」
「だからー、今度たにしと俺となおなおで海にいこうぜー。」
ああ、話しかけてたのは、齋藤か。
海かー。暑いしやけるんだよなー。
まあでも暇だしいいか。
「いいけど、いつ行くん?」
「つくも行けるって」
おい質問に答えろや。
てか、たにしもなおさんもいたのか。
ちなみに、なおさんは齋藤の彼女である。
2人で行ってこいよと、たにしも思っているだろう。
「つくも行くの?日焼けするよ?そもそも泳げんの?」
たにしの言葉は、いつも少しトゲがある。
「おい。いくら自分の顔がかわいいからって、何言っても許されるわけじゃないぞ」
「そんなこと思ってない気がする?」
なぜ疑問形?
やっぱりかわいいと思ってるだろ。
「はいはい。そこの2人いちゃつかない」
「いちゃついてない よ/もん」
「ほらー」
「なおなお、その辺にしとき」
いつも大抵こうなる。
平和を維持する齋藤は、すごいなって思う。
「はい、今日は解散」
今日も1日終わったな。
じゃあしばらくゆっくりするか。
と思っていたら、教室の隅の線を見つけた。
あれなんだろう。
テープ?でもないか。
焼きついてるのか?
そして線に触った瞬間、なぜか東京の真ん中に立っていた。