第8話 グレタ
朝起きるとキアラが僕の腕の中で寝ていたのでしばらくそのまましておいた。
「朝…子ども達は…」
「ここは僕の屋敷です。子ども達はトリニダに見てもらってますから大丈夫ですよ。今日はトリニダに任せてゆっくりしましょう。」
キアラは昨日の事を思い出したのか、急に声を上げて泣き出した。裸のキアラを抱きしめて背中をさすってやる。
しばらく泣くと、落ち着いたのか瞼を赤く腫らしたキアラが僕の顔をじっと見つめるので少しづつ顔を近づけていくとキアラから熱くキスをされた。
「ミロ様…私…私…うう…」
涙を流すキアラにキスをしながら頭を撫でてやる。
泣き続けるキアラをお風呂に入れてやり、お風呂を上がるとオルテンシアがメイドな服を持ってきてくれた。キアラはオルテンシアの透けるメイド服をチラチラと何度も横目で見ていた。きっと俺のことをそう言う男だと勘違いしたんだろう。違ってはいないが。
キアラを連れてゲートを潜り、診療所へ行く。診療書は大工とエリザベッタが改修の打ち合わせをしていた。
間取りなどを相談されたので適当に答えておく。小さな病院のイメージで話したら二人とも、とてもびっくりしていた。
「ミロ様、私だけでは大変そうなので受付や事務をする方をお願いしたいのですが…」
「わかりました。少し考えさせてください。」
その後、キアラと街に出て、キアラの服や日用品を買ってあげた。
昼食をレストランで食べ終えた時、キアラが俯いて話しだした。
「あの…私はシスターでも何でもないんです。幼いときに両親を失い、あの教会に引き取られました。私が15歳の時に当時にいたシスターが居なくなってしまって、年長の私が子ども達を面倒見ていたんです。でも国からの支援も無いし、寄付もないのでお昼は食堂に働きに行って、食費を稼いでいました。……でも、もう私はシスターの格好をして、あの子ども達の前にいる自信はありません…キアラさんにこんな事話してしまってすみません…」
キアラはシクシクと泣きだしてしまった。
「それなら、さっき見た診療所で働きに来ないか。ちょうど人手が必要だったし、子ども達も2階で住めば良い。トリニダや他のメイドもいるし、子ども達も働きながら成長していくよ。」
「そんな…」
キアラは堰を切ったように大声で鳴きはじめてしまった。
びっくりした店員がかけてきたので多めに代金を払い、屋敷の寝室に転移した。
「ミロ様……私を……抱いてください……もう私はあなた無しでは生きられないです……この衝動が抑えられない……」
体をプルプル震わせて両手で自分の体を抱きしめるキアラをギュッと抱きしめてた。
夕方に目を覚ますとキアラはすでに起きていて、僕をじっと見つめていた。目を閉じたので、キアラを優しく包みこんでキスをした。
「あぁ…ミロ様…もっと早くにお会いしたかった…」
頭を撫でてやり、抱きしめた。
今朝買ってあげた可愛い服を着て、修道院の子ども達を迎えに行きたいと言うので歩いて迎えに行くことにした。
キアラはすべて吹っ切れたようで僕の手を引いて子ども達が待つ修道院へと向かった。修道院へつくとトリニダと子ども達が遊んでいた。良く懐いている。さすがトリニダだ。
エリザベッタに通信でキアラと子ども達のことを伝えておき、キアラとトリニダに後は任せる。僕は子どもが苦手だ。
エドモンドの屋敷の玄関先に裸で意気揚々のエドモンドを転がしておく。お気の毒に。さぞ無念だろう。そのまま森に入り、いつものように狩りをしているといつもと色が違い、紫色の肌の大きめのサイクロプスがいる。進化系か、亜種だろうか紫色のサイクロプスを収納しながら進んでいくと遺跡のような建物が森の中にあるのが見えた。
しかし、昼になったので明日行くことにして今日は街に帰る。エリザベッタを通信の指輪でレストランに呼び出すと、すごいスピードで走ってきた。
「ごっ…ご主人様…おっ…お待たせしましたっ…」
そんなに肩で息をするほど全力疾走しなくてもいいのに。
エリザベッタは向かいではなく、僕の横に座り、椅子をわざわざ近づけて、体を密着してくる。エリザベッタはとても綺麗だ。アゴのあたりまで短く揃えられた綺麗な黒髪で、真っ白な肌、大きな瞳、シャープなフェイスライン、前に大きく主張する胸。
横に座るとその谷間からピンク色の先がチラチラと見えてしまう。
「ミロ様からお伺いした配置で明日から工事が始まります。すぐに人も手配していただいてありがとうございました。」
「給金は僕が出すから心配しないでください。」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます。運営が軌道に乗りましたら、私からお支払いさせていただきます。」
エリザベッタはキリッとした顔になり、これからの運営に力を入れているのがわかった。
亜空間屋敷に戻り、オルテンシアの透けるメイド服を脱がせてユサユサと2つの大きな胸を鷲掴みにして揺らしているとスラム組織から連絡があった。オルテンシアの中に体液を注ぎ込んで、ぐったりとするオルテンシアを置いてスラムの小屋に転移する。
「ご足労いただき、ありがとうございます。」
「言われた通り、エドモンドから再度シスター誘拐の依頼がありましたが、教会すら無くなったと依頼を断りました。あと、エルフを誰でもいいから連れてこいという依頼がありました。」
「エルフは心当たりありますか?」
「闇競売でたまに出品されます。後はどこからか攫ってくるかですね。」
闇競売は週に一度開催され、今日の夜に開催されるようなので頭と参加することにした。
亜空間屋敷の寝室に戻り、時間停止亜空間からエドモンドに胸を揉まれていた巨乳のおねえさんを転移する。
「えっ…ここは…」
おねえさんの横に座ると体をモジモジさせ俯いてしまった。
「あの…優しくしてください…。」
おねえさんはそう言うと僕の服を脱がし、押し倒された。
そのおねえさんはグレタと言った。
日が暮れてきたので、スラムの小屋に転移して、頭と闇競売の会場に向う。頭から覆面を渡されたのでかぶって、古く使われていなさそうな屋敷に近づく、入口で200シーロ(2万円相当)を払い中に入ると、中は綺麗になっていた。外見はダミーだ。ズラッと並べられた椅子は半分ほど埋まっており、覆面や装飾のついたメガネなどをした30人ほどが座っている。しばらく座って待っていると席は満席になった。
「みなさんいらっしゃいませ。今日の競売のことは他人無用でお願いします。」
窃盗品なのか分からないが装飾の凝った家具や絵などが落札されていく。
「さて次はエルフの出品です。」
まだ若い銀髪のエルフで真っ白なドレスとベールをしている。まるで花嫁だ。結婚式から掻っ攫ってきたのだろうか。エルフの少女はプルプル震えている。
「5万シーロからどうぞ!」
「5万。」「6万。」「7万。」「7万5千。」
「10万。」手を挙げて発声した。
「他にありませんか。それでは10万シーロ(1千万円相当)で落札です。」
その後は特に気になる出品も無く、エルフの少女を受け取り、その場で奴隷契約をしてもらう。頭はここで別れて歩いて屋敷を出る。
「あの…私はこれからのどうなるのですか…」
「しっ…」
受け取りの所からずっと見られている。闇競売、一筋縄では行かない。2人で人通りのない路地を歩いていると、3人のチンピラがナイフを持って前と後ろから現れた。
「そのエルフを渡してもらおうか。」
「わかった。」
エルフを離すと、ナイフで斬りかかってきたので転移で建物の影に身を隠す。
「どこいったんだ。お前たちは周りを探せ。」
1人がエルフを連れて歩いていき、もう二人は路地に消えていった。
エルフと男を透明化して尾行すると質素な屋敷に入っていった。ドアの開いた瞬間に中を確認して転移で中に入る。
「ジョコンダ、また、今日の競売で、1人出品されてました。」
「そうか。良くやった。おまえはどこの村のものだ。」
「あの…わかりません。ずっと街にいたので…」
「そうか。まあいい。今日からは安心してここで過ごすと良い。同じエルフ同士ここで暮らそう。」
ここにいる10人ほどが全員エルフだった。
「仲間意識でやっていることでしょうが、今回は相手が悪かったですね。」
元締めの女以外を全員亜空間に収納した。
「誰だ!仲間をどうした!」
周りをキョロキョロして仲間を探すが静まり返る屋敷には他にもう誰もいない。
「あなた1人の命で他の人の命は助けてあげますがどうしますか。」
「くそ…なんでこんな事に…わかった。仲間の命は保証するんだろうな。」
「それは保証しましょう。」
悔しく僕を見詰めるジョコンダはブロンド髪の綺麗なエルフだ。
ジョコンダ
今回の依頼主のオスカル男爵の屋敷の門にジョコンダと立つと門兵に呼び止められた。
「誰だ。」
「依頼を受けた者だ。エルフを連れてきた。」
「見ない顔だな。話は聞いている。入れ。」
門を潜り、屋敷の中へと案内される。
「オスカル様、エルフを捕らえたと言う者を連れてきました。」
「入れ。」
中に入ると白髪の老人が座っている。
「いいエルフじゃな。」
「褒美をやり、外へ案内しろ。」
僕は門兵に外へ連れ出されて20万シーロを貰う。門兵から見えないところまで歩き、透明化して先程の部屋に転移する。
「先ずはその服を全部脱いでもらおう。」
「くっ……」
ジョコンダは悔しがりながら服を脱いで手で隠している。
「ワシの全身を舐めて清めろ。」
ジョコンダはしわしわの肌をいやいや舐めさせられた。
「今日はわしと一緒に寝るだけで良い。」
老人に抱きつかれながら胸を吸われたり、お尻を触られたりしてその日は終わった。