第12話 チェチーリア
朝、屋敷のベッドで目覚めると一人だった。
ベッドから降りてエルフ好きの爺さんの所から奪ったお腹のすいたエルフを出すと僕に抱きついてきて口の中を口で探し、食べ物を要求してきたので口移しで収納してあった食事を食べさせてやる。
「貴方の名前は何というのですか。」
「私はチェチーリアと言います。新しいご主人様。えっと…脱いだほうがよろしいでしょうか。」
「いつものようにしてください。」
チェチーリア
そう言うとチェチーリアは薄緑の服を照れながら脱ぎだした。
チェチーリアはその後、お風呂に勝手に入ってきた。
「ご主人様、いやらしいチェチーリアがお背中を流させていただきます。」
そう言うと僕の体を洗ってくれた。
チェチーリアを訓練所に連れていき、適性を調べてもらう。チェチーリアは闇属性魔法の適性があったが初級のダークブレッドは発動しなかった。特殊な魔法が使えるかもしれない。
僕は魔物の収納の際に魔素と呼ばれるエネルギーのようなものを別に収納できるようになっていた。おそらく魔物を殺した時に吸収して少しづつ強くなる源のようなものだ。
何度かギガンテスで試してみたが、自然に殺すだけよりも空間魔法で収納したほうが効率が良かった。自然に吸収するのは周りに拡散してしまい、吸収できるのは数%程度なんだろう。
遺跡の森にチェチーリアと転位する。
「ご主人様、ここはどこかの森ですか?脱ぎますか?」
「いいえ、脱がなくてもいいですよ。少し痛かったりするかもしれません。」
「はい。痛くされるのも大好きです。」
聞き流しつつ幼気の残る笑顔のエルフを見ながら妄想し、これまで収納してきた魔素をチェチーリアに流し込んだ。
「うぅ…あぁ…体が熱いです……あっ………」
チェチーリアは僕の体を強く抱きしめてきて膝をガクガクと震わせて、ポタポタと地面にしずくを垂らした。
魔素をどんどん吸収するとチェチーリアの体から黒い霧のようなものが溢れ出した。
「ご主人様……もっと……もっと下さい……もう我慢できません……」
涎を垂らすチェチーリアに少しづつ多く魔素を注ぎ込む。
「もっと……もっと……」
濁流のように魔素を流し込むとチェチーリアは色々なところから汁を噴き出した。
これまで貯めた魔素を全て注ぎ込むとチェチーリアはぐったりと気絶してしまった。
周りのギガンテスを収納しながら魔素を収納しているとチェチーリアが目を覚ました。
「ご主人様……こんなすごいの生まれて初めてです。私はご主人様以外ではもう満足できそうもありません……ずっとおそばにおいてください。」
頰を染めるチェチーリアは僕に抱きついてきてキスを求めた。
「ご主人様、私の使える魔法は召喚魔法のようです。」
「そうですか。今出せる最大の召喚をして下さい。」
そう言うとチェチーリアは魔力を練りはじめた。チェチーリアが暗く、見えなくなってくる。
地面に黒い霧が漂いだし、黒い魔法陣が浮き出した。デカい。
魔法陣から出てきたのは全長8mほどの黒いドラゴンだった。
「え……ドラゴン……」
「我を召喚したのは主か。」
「え……えっとチェチーリアです。」
ドラゴンはチェチーリアの言うことをなんでも聞いてくれるようで、僕たちを乗せて空を飛んてくれた。亜空間の防壁を張ると風の抵抗がなくなり、とても快適だ。
「ご主人様!すごいですよ!街があんなに小さくなってます!」
すごいのはチェチーリアなんだけどね…。まさかドラゴンを召喚するとは驚きだ。その後はドラゴンを消したり、再召喚することはできたが、他の魔物は召喚することができなかった。
その後、ドラゴンに乗り、森から西へ進み海に出た。海をしばらく進むと新たな大陸が見えてきた。大陸を進み、平原の中の街の手前でドラゴンを降りる。
「ご主人様、今後も私のドラゴンを自由に使っていただいていいですよ。」
るんるんのチェチーリアと城門に向かう。
「ここはユースの街だ。ここを通るには100シーロ(1万円相当)が必要だ。」
門兵に2人分の貨幣を渡して入る。ユースの街は小さな町のようであちらこちらで建物の建築工事や道路工事が進んでいるところだった。