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ざまぁフラグが立ってる王子様に転生した  作者:
王子様の学園生活(四年生)

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64 フルフトバールで魔獣狩りだぁ! そのよん

 ブランダイヤ食べたいなーと思っている僕とは逆に、マルクスは知らずに魔獣の肉を食べていたことにショックを受けているみたいだった。

「牛肉だと思ってました」

「肉質はちょっと似てるよな」

 牛肉に似てるんだぁ~。すき焼き食べたい。


「けど生きてるやつはマジで厄介だぞ。油断してると突進してくる。あのスピードだから、避けるよりも待ち構えて狩る方が効率良いんだよ。不帰の樹海にも鹿系の魔獣いるんだろ? どんな感じ?」

「知らない」

 知らないもんは知らないので、素直にそう答えると、テオは僕の顔をまじまじと見た後、う~んと考え込む仕草をして、なにかを思い出した顔をした。

「あ、そうだった。アルは成人まであんま自由が利かないんだったな。悪い悪い」

 この短い会話で、僕の微妙な現状を推察できるから、テオは侮れないんだよなぁ。

 そしてあっけらかんとした態度で、みんなが避けている話題をなんでもないことみたいに流してしまう。

 この辺の対応もわざとらしくない感じでうまく処理しちゃう。


「不帰の樹海には、ブランダイヤに見た目がよく似ている、グリューナーディアと呼ばれる魔獣がいます。中層の魔獣ですね。グリューナーディアは魔素を角に蓄積させて、樹海の霧や瘴気から栄養を得ているんですよ」

 代わりに答えてくれたのはフェアヴァルターだった。

「角に魔素が溜まるの?」

「えぇそうです。ですから、うっかりその角を傷付けると爆ぜます。魔導具師泣かせの素材でもありますね」


 フェアヴァルターの説明に、ぎょっとする。

 爆ぜるってさぁ……四散するってことだよね? 破片で怪我したりするよね? そんなの爆弾と同じじゃんか。


 そんな話をしていたら、イジーが整理を終えた荷物を持って戻ってきた。

「仕分け終わりました。天幕に運びます」

「あぁ、ごめん! 仕分けありがとう。僕も手伝う」

 イジーの仕分けの手伝いできなかった!


 慌ててイジーが持っている荷物の半分を持つ。

 ネーベルとリュディガーも、仕分けした荷物を張られた天幕の中に運び込む。

 テオとクルト、そしてマルクスは、寝具になる藁を解して、シーツをかけていく。

 天幕の中を整えたり、スレイプニルに餌と水をやっていると、ふわっといい匂いがしてくる。


「これは、もしかして」

「シチュー、ですか?」

 覚えのある香りにイジーとリュディガーが、ぱぁっと顔を輝かせている。

 前にテオのところに行く途中の野営地で、ガーベルが作ってくれたホワイトシチューを思い出す。おいしかったよねー。

 イジーとリュディガーが、何度もおかわりしてたんだよね。

「すっげーいい匂い! 腹減った!」

 テオがお腹を押さえながら、声を上げる。

 すると炊事場の方からガーベルの声が響いてきた。


「皆さん! 夕餉の用意が整いましたよ!」


 その言葉にテオたちがワーッと焚火へと駆け出していく。

 元気がいいなぁ。

「アル、俺たちも行こう」

「うん」

 少し残っていた片付けをしてから、僕もネーベルと一緒に焚火へ近づいた。


 前にテオのメッケル北方辺境伯領に行く途中での野営では、ガーベルが狩った兎は串焼きにしてくれたけど、今日は煮込みのシチューだ。

 野菜もたくさん入ってる。


 僕は野菜にも旨味があるって知ってるから苦手意識はないし、ネーベルは食べられるだけありがたいからと言って苦手な野菜はない。

 意外なのはテオで、野菜はなんでも食べるタイプ。


 イジーとリュディガー、それから何でも飄々とこなしてそうなクルトには、苦手な野菜があったけど、寮生活になった時、ガーベルがどこが嫌なのか?とか、いろいろ聞き取りをして、食べられるように調理してくれてから、殆ど好き嫌いがなくなってきてる。

 今は春から学園にやってきたマルクスが、ガーベルに食育されている途中だ。


「良き恵み!」

 テオがシチューの入った椀を掲げ声を上げる。

「「「「良き恵みに」」」」

「「良き恵みに感謝」」


 一口掬ってシチューを口に入れる。

 あぁ、美味しい~。

 ガーベルの作る料理は最高。

 いつものも美味しいけど、こういった野外料理も手を抜かずに、臭み消しをしたり、下拵えを丁寧にしてくれるから、すごく食べやすい。


「成人したら若殿も不帰の樹海で狩りをするし、深層に入ったら長期滞在になるだろう? 安地拠点に野菜類の畑を作っておいた方が良いと思う。お前たちも肉ばかり食べてるんじゃないか? 食のバランスが悪い」

 ガーベルがピートとトレッフに厳しい目を向けてお説教をしていた。

「安地拠点に畑か。いい考えだが……」

 フェアヴァルターの呟きに、トレッフも考えこんだ様子を見せる。

「つーか管理大変じゃね? 言っとくけど、あのおっさんにやらせるのはナシだぜ? もとより、誰も信用してねーし、あっちだって反省なんかしてねーだろ」


 ところどころ不穏な会話をしてんなー。

 フェアヴァルターもピートもトレッフも、隠してるけどさぁ。

 僕、知ってるんだよねぇ。アレ……国王陛下の愉快なお仲間、元側近だったゼルプスト・フースが、ピートたちの部隊に預けられてること。

 あいつ、もう一人の人と違って、母上と僕への悪意強すぎて、いろいろやらかしてたからなぁ。

 ピートの口ぶりから言って、あいつまだ生きてるんだねぇ。

 頃合い見計らって、さっさと始末されると思ったんだけど、生き長らえてるとは意外だ。なんかに利用する気なのかな?




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