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ざまぁフラグが立ってる王子様に転生した  作者:
王子様の学園生活(二年生)
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23 放課後に調査会議

 ベックの本題、ゾマーに何か声を掛けてやってってことなんだけど、お断りさせてもらった。

 やらかしてるっていう忠告は、もうすでにしているのだ。そこからどうするかはゾマー次第。

 ベックやグラーフ嬢の様子から見て、ゾマーとの食堂での会話は、あの時、食堂を利用していた生徒たちには聞かれていたようなんだけど、それでゾマーがいじめにあってるということはないそうだ。

 その辺はベックとグラーフ嬢に確認したから間違いないだろう。

 ただ、まぁゾマーはもとより、仲が良かったベックたちも、ゾマーのユング嬢に対しての対応を知っていたのか、あからさまに無視や避けられるということはないけれど、遠巻きにされていると。

 ついでに、真っ先にゾマーから離れて、自分たちは関係ないと言った奴らは、それはそれで、周囲から冷たい目で見られているようだ。


 ゾマー自ら、僕のところに相談に来たら、話を聞くぐらいはする。場合によってはアドバイスもするけど、でも、本人がそれを望んでないのに、僕のほうから行動を起こす気はない。


 オティーリエが言うには、ゾマーってリューゲン王太子の側近になる男だったらしいし、ちょっとつつかれた程度でぴえんってなるほどメンタルは弱くないはずだ。

 自力でどうにかするかもしれないしね。


 ベックとグラーフ嬢の出来事から数日、お昼休みにテオに泣きつかれた。


「アル~! 手伝ってくれよー!!」

 まるで青い狸に泣きつく少年のようじゃないか。

 そして僕は青い狸ではないぞ。

「だってわかんねーんだもん!!」

 仕方がないなぁ。

「じゃぁ、放課後。もう一度、ここを借りて調査会議しようか?」


 お昼休みの後、鍵を返しに行くついでに、放課後も教室を借りる申請をシルトたちに頼んでおく。

 それにしてもそんなに難しい謎解きだったか?

 城住まいなら大体わかると思ったんだけどなぁ。

 僕も、放課後までに、必要な資料を集めておこう。


 放課後になって、ネーベルと一緒に、職員室にいつも使ってる空き教室のカギを取りに行ったら、もうお渡ししていますよと言われてしまった。

「あれ? テオたちが取りに来たのかな?」

「いや……、たぶん違うと思う」

 もしかして、他の貸し出し申請してる生徒と間違えた?

 まぁ、いいや。一度教室に行って、他の人が使ってるか確認してみよう。


「「お待ちしておりました、アルベルト様」」

 犯人は、うちのシルトとランツェでした!!

 お昼の時に放課後の予定を聞かれていたし、鍵の返却も、放課後に教室を使う申請もしてもらってたから、当然知られていたけど、まさか放課後のお茶の用意までしてるとは思わんだろう!

「やっぱり、シルトさんたちだった」

 はぁ?! やっぱりって何? シルトたちだったって何?

 思わず隣にいたネーベルを見ると、ネーベルは当たり前みたいな顔で言った。

「シルトさんたちの前で、放課後教室使うなんて言ったら、二人はアルの為にお茶のセッティングするに決まってるだろう」

 き、決まってないよ!!


 シルトとランツェは、お昼の時と同じように、テーブルセッティングを済ませて、ティーカップとそれからスイーツの用意をしてくれている。

「……ガーベルに悪いことしちゃった」

 ガーベルはフェアヴァルター同様、僕の傍に残ってくれたマルコシアス家の料理人の一人だ。

 母上が側妃にあがったときに、専属の料理長として側妃宮に入り、母上が宿下がりした後は、僕の専属を希望して残留してくれた。

 僕が王立学園に入学するにあたって、学園都市についてきてくれて、引き続き料理長をやってくれている。

 もちろん、お昼のお弁当だって、ガーベルが用意してくれているのだ。

 ガーベルはオールラウンダーの料理人で、料理だけでなく、製菓の腕も素晴らしいのだ。


 あと、僕の身体にいろんな毒の耐性を付けさせるのも、ガーベルがやってくれた。


 僕への暗殺は、夜の奇襲だけではなく、毒の攻撃もあるだろうからと、匂いとか口に含んだ時の味や刺激で、どの毒か判別する訓練もやってくれたのだ。

 シルトとランツェはもとより、ガーベル自身も何も言ってないけど、アッテンテータの人間なんだと思う。

 のほほんとした雰囲気で、特徴のない容貌、そしてシルトたちと同じく、気配が薄い。


 でもさ、ガーベルは僕のとんでもないリクエストを聞いてくれるんだよ。

 マヨネーズ作ってくれたし、ハンバーグも作ってくれた。

 この世界の肉料理って、肉塊を部位に切り分けて焼くステーキか、煮込みのシチュー類で、肉をミンチにして炒めた玉ねぎとツナギを入れて、成形して焼くっていうのがなかったんだよ。

 あと、醤油の話をしたら、食いついてくれてね。東にある島国ヤーパネスの輸入品にあるかどうか、色々調べてくれてる。


 美味しいもの食べたいっていう僕の要望に最大限協力してくれてるガーベルに、急遽予定にないお菓子を作らせてしまった。

 申し訳ない。

「ガーベルに、謝っといて。予定狂わせたから」

 しょぼんとしながら椅子に座って、シルトたちにガーベルへの伝言を頼む。

 するとシルトもランツェも不思議そうな顔をして言った。

「ガーベルは喜んでおりました」

「パウンドケーキ類は日を置くと味が馴染むそうなので、アルベルト様のお望みでしたら用意しておくとのことです」

 え? そうだったの?

「えっと、じゃぁ、お肉のはいったケークサレ食べたい」

「伝えておきます。ネーベル様は何をご所望されますか?」

「え? 俺?」

「はい」

 シルトに問われておたおたとするものの、ネーベルは小声でぼそりと呟いた。

「フリッタータ……」

「塩豚をたくさん入れるよう伝えておきます」

 さ、最近、僕もネーベルもスイーツ程度じゃ、ディナーまでもたなくなってるんだよぉ!



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モチベ上がりますのでよろしくお願いします。

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