女心はテレパシーを使わないと無理
縛られたままの僕は・・・?
「うう…む、無理だよ……」
こんなテーブルの上で!
それに、周りにはすでに魚の刺身が並べられた皿がいっぱいあるんだ!
ナトリカは、刺身の載った皿を、譲司の周りに並べていた。
「どうして、刺身を並べるんだよ、ナトリカ!」
ナトリカはしかし、何も気にせずに
「もちろん、御四家のみなさま用の料理です。後で貴方も食べればいいでしょう」
「見てわかるだろー、繋がれて無理やりオシッコさせられるんだ! これ、解いてよ」
「私のような使用人にはアリス様や鏑木様には到底、逆らえませんので、ではごゆるりとプレーを楽しんでください」
ナトリカは一礼する。
「プレーなんかじゃないよっ、ねえアリス! 誤解だよっ、僕はアリスだけを……」
「いいえ! 今回こそ許されないわ! 女の子との不倫だけは認めないと言っておいたのに、よりによって親友のユリシアと……! あんなディープに舌を絡めて、さぞ気分が良かったでしょうね……! ねえ、どうなの? 私のより良かった? ほらほら、素直に言ったら楽になるわよオ?」
アリス特有の天使スマイルと悪魔の嗜虐性が合わさった笑顔。
僕は……結局この理不尽極まりないドSのアリスが大好きなんだ……
「違うよ、アリス」
ほがらかな笑顔を作った。
「アリスとのキスの方が、何倍も…‥何百倍も最高だったよ!」
僕の台詞に、アリスの顔は輝く。
「気持ちいいとか、そんなの関係ない。僕が大好きで、本当にキスしたいのはアリスだけなんだ……!」
……だから、早く縄を程いてくれ!
もう漏れる寸前なんだ!
「そっか、譲司くんを疑って……本当にゴメンね」
「そうだよ、アリス!」
ニイ、とアリスは酷薄な笑みを浮かべ、
「じゃあやっぱり、少しは気持ち良かったんじゃん! そうでしょう!?」
「えええ!?」
「何百倍っていう事は、1か0,1くらいは気持ち良かったし、少しは好きなんでしょう!?」
「いや、全然……ゼロだったよ! ユリシアは丸っきり!」
「ゼロに何をかけてもゼロだわ! じゃあ、私の事も好きじゃないのね!! サイテーね、そんななのに告白してきてるなんて!!」
「どう答えればいいんだ!?」
ユリシアは、はああとため息をついて、
「全く呆れるぞ、こういう時はただ単にアリスが丁度気分よくなり、ひたすら女心に合わせて解答するだけの超簡単なクイズなのに、これすらも出来ないとは……」
「テレパシーでも使えって言うの!?」
アリスは、
「そうよ! 男は彼女に対して、テレパシーを使いながら接する必要があるの! これは常識でしょお!?」
「バカなっ、無理だよおお!」
アリスは僕の股間を少し撫でた。
「うぐっ」
僕は呻いていた。
「そんな譲司くんは、もう罰よ! さあさあ、一気にいっちゃいなさい! この高級刺身の皿の中で、一気にやっちゃえ!」
そして、それは来た。